平岩隧道

(2004年08月27日初版記事公開/2021年01月01日記事全面書換)
現在の山口市徳地柚木猿岡(防長バス岡の原バス停付近)と周南市大潮倉谷亀尾尻(県道3号開通記念碑付近)の間に道路を新設し、1970(昭和45)年4月に国道315号に指定された。その新設道路を構成するひとつがこの平岩隧道(全長47m)である。ループトンネルとしては国内9例目、国道ループトンネルとしては塩ヶ森隧道に次ぐ2例目であった。

旧徳地町の平岩谷に位置することがトンネル名称の由来だろう。
直径95mの大規模ループであることに加え、周辺は尾根と谷が入り組んだ急峻な斜面で樹木が茂っているため撮影適地がなく、空撮をもってしてもループしている様子はうまく撮れなかった。何をどこへ運んでいるのかわからないがトラックの通行量が多く、停車スペースが殆どないのでトンネルを撮影することさえ難しい場所である。

警戒標識は設置されておらず、唯一トンネル北側に道路がループしていることを示す看板が置かれている。2004(平成16)年訪問時は朽ち果てる寸前であったが、なんと2006(平成18)年により恒久的なものに新替えされていた。標識令に準拠した警戒標識にしないのはなぜだかわからないが、丁寧にも先代デザインを踏襲しているところが面白い。設置者は交通安全協会等ではなく、道路管理者である山口県だ。

路線国道315号
所在地山口県山口市徳地柚木(初回訪問時:佐波郡徳地町柚木)
回転度270度
完成時期1969(昭和44)年
実走行日2004-08-27
全景写真
(2004年08月27日初回訪問)達筆過ぎるトンネル扁額
朽ち果てゆく看板

(2020年09月21日再訪)平岩隧道坑口を北側から眺める拡大する
平岩隧道坑口を北側から眺める。この上を同じ国道が横切っているとは思えまい。
平岩隧道坑口を南側から眺める。トンネル上の擁壁は北側はコンクリートだが、南側は間知石だ。
警戒標識代わりの看板は2006(平成18)年に新替えされていた。丁寧にも先代デザインを踏襲しているところが面白い。

平岩隧道 ビフォー・アフター
Before
After

左:1968(昭和43)年10月22日 国土地理院撮影
右:1971(昭和46)年04月26日 国土地理院撮影
狭隘な道路を拡幅したのではなく、新規開鑿である。