神谷ループ

(2003年7月27日初版記事公開/2023年12月24日記事全面書換え)
伊那木曽連絡道路は伊那市(国道153号伊那バイパス)と木曽町(旧日義村の国道19号)を結ぶ全長約20kmの地域高規格道路で、1994年12月16日に計画路線に指定され、権兵衛峠の車両通行不能区間の解消、伊那地域と木曽地域の交流を目的としている。

権兵衛峠道路(全長7.6km:伊那市の与地交差点~番所(権兵衛トンネル西))と姥神峠道路(全長8.1km:番所~木曽町の国道19号巴渕交差点付近)が主要事業とされた。

姥神峠道路第1工区(全長2.3km:羽渕の県道493号交差点~神谷)は2002(平成14)年12月に供用開始、権兵衛峠道路と姥神峠道路第2工区(番所~羽渕の県道493号交差点)は2006(平成18)年2月に供用開始された。なお、姥神峠道路の残り区間(全長3.5km:神谷~巴渕交差点付近)は2002(平成14)年に事業化されたものの、2012(平成24)年に事業休止となっている。

その姥神峠道路第1工区西端にあるのが神谷ランプで、深いV字渓谷であるがゆえに十分な土地を確保できない事情からランプウェイを8の字形にループさせることで現道と新道の高低差を解決することになった。神谷ランプ橋(全長412.8m)と神谷川橋(全長11.6m)と土工部で構成され、神谷ランプ橋は実際には橋梁6基なら成る。また、国道19号方面への延伸が予定されていたことから、延伸する本線橋脚も同時に施工されている。

路線国道361号
所在地長野県木曽郡木曽町日義(旧 木曽郡日義村神谷)
回転度220+220度
完成時期2002(平成14)年12月4日供用開始
実走行日2003-07-27
全景写真
(2003年7月27日撮影) 西側(木曽側)から見る神谷ループ。
旧道を少し上がって東側から見る神谷ループ拡大する
旧道を少し上がって東側から見る神谷ループ。ダブルのの字の状況がわかる。
神谷ループ全景拡大する
神谷ループ全景。いかにも自動車道のランプウェイだ。

(2023年10月8日撮影) 神谷ループを西から俯瞰拡大する
神谷ループを西から俯瞰する。姥神トンネルの西側坑口が見える。国道19号方面への延伸を見込んで本線橋脚も建設済みだ。
神谷ループを東から鳥瞰拡大する
東から鳥瞰する。写真の上が西方。神谷ループは「神谷ランプ橋」と「神谷川橋」で構成される。
神谷川橋上空から見る神谷ループ拡大する
神谷川橋上空から見る神谷ループ。これはエモい!(初訪時にエモいなんて言葉はなかったけど)
神谷ループの脇に建てられた伊那木曽連絡道路 開通記念碑。「権兵衛峠」の由来となった古畑権兵衛氏の子孫・勝久氏によって建立された。

姥神峠道路の残り区間は事業休止とは言いながら事実上の事業廃止と想像されていたが、2020年7月豪雨による土砂崩れ通行止めやその迂回路になり得る県道493号姥神奈良井線の土砂崩れ通行止めという事態を受けて事業再開が検討され、2021(令和3)年度に事業化された。

参考資料
建設コンサルタンツ協会 > 協会誌 2004/1 vol.222 > プロジェクト紹介 神谷IC橋(姥神峠道路)の橋梁計画・設計