馬桑橋

初訪:2006年5月5日
のの字巡りを始めてすぐの頃、地図を眺めていて「山の中にもこんな大規模なものがあるんだ!」と少し驚いたことを記憶している。

のの字を構成するのは馬桑川を越える2つの橋であるが、1つ目(川の上流部に位置する小さな橋)の名称は不明。2つ目が曲線を描く大規模な橋で、これが馬桑橋である。この付近の集落は まぐわ と濁るようだが、橋の名前は まくわはし と濁らないようだ。

のの字を描いてとても緩やかな傾斜のように見えるのだが、制限速度を遥かに下回る速度で唸るように走る古い軽自動車が前にいて閉口した。

のの字部の中央には朽ち果てたドライブイン(喫茶店?)、その名も「ループ橋」がある。

なお、ネット上ではこの橋のことを「那岐大橋」としているウェブサイトがあるようだが、那岐大橋は黒尾トンネルの北側、鳥取県八頭郡智頭町にある非ループ橋である。(走っていると、「那岐大橋」の標識が見える。)

こんなことがあるので、現場訪問・現場確認はやめられない。
と、偉そうなことを言ってはみるものの、そして正確な掲載を心がけているつもりではあるものの、誤記載があるかも知れないので、お気付きの点あればコメントくださるようお願いします。>閲覧している皆さま

もしかして、馬桑橋の北側に位置する小さな橋を那岐大橋って言うのかな?


2013年6月2日追記
5月に再訪して撮った写真、その後の再調査の結果を記録する。

再調査の結果、馬桑橋の北側に位置する小さな橋の名がわかっただけでなく、ループを構成する橋梁は2つではなく3つあることが判明した。下表の青字がそれである。「82号橋」が馬桑橋の北側に位置する小さな橋、「桟道橋」は馬桑橋と82号橋の間の道路(ループの西縁にあたる部分)にあり、実は1車線だけ橋梁なのであった。空中写真を見ればジョイントが見えるので納得できる。

この表は上から下へ、奈義町馬桑(黒尾トンネル~奈義町ふれあいセンターやまびこ荘)にある国道53号の橋梁を国道に沿って北から順に並べている。

橋名 橋長(m) 幅員(m) 構造 架設
籾穂橋 10.6 9.7 PC橋 1970
古木山橋 10.6 9.25 PC橋 1970
上竹谷橋 18.06 12.25 PC橋 1970
下竹谷橋 15.66 12.22 PC橋 1970
高尾橋 15.8 9.3 PC橋 1970
83号橋 12.1 12.2 RC橋 1970
天神橋 100 9.2 PC橋 1971
小倉谷橋 50 8.6 PC橋 1970
馬桑橋 180 14 鋼方杖ラーメン橋 1970
桟道橋 54 6.8 PC橋 1970
82号橋 12.7 14.6 PC橋 1970
小田橋 27.96 9.75 PC橋 1970
茶屋橋 13.6 10.5 PC橋 1969
山川橋 19.54 10.8 PC橋 1968
路線国道53号
所在地岡山県勝田郡奈義町馬桑
回転度270度
完成時期1970(昭和45)年
実走行日2006-05-05
全景写真
初訪:2006年5月5日馬桑橋全景国道53号を北上すると唐突に現れる馬桑橋。その大きさに圧倒される。
のの字部中央にある元ドライブイン、その名も「ループ橋」のの字部の中央には「ループ橋」という名の、朽ち果てたドライブイン(の名残)があった。

2013年5月4日再訪(2013年6月2日追記)ドライブイン遠景文章ではうまく表現できないのだが、ループ内部は馬桑橋の見どころと言える。警戒標識「左背向屈折あり」(205)が3連続で並んでいるのもよい。
桁は弧を描くが方杖の橋脚は直線だ。
ループ最奥部の旧道から眺める拡大する
ループ最奥部の旧道から眺める。このループは巨大で、全景を眺めることは難しい。写真右に車が1台いるが、この対向車線あたりが「桟道橋」である。
馬桑橋西端からの眺め拡大する
馬桑橋西端からの眺め。冬場は中国山地から吹き下ろす風が冷たそうだ。凍結することも多いだろう。
馬桑橋東端からの眺め。ループしていることを示す大きな標識が印象的だ。国道は中央分離帯が設けられ、追い越し禁止を強調している。
長らく橋名が不明だった、馬桑橋の北側に位置する小さな橋、「82号橋」
かな橋名板がなくなっていた。確か7年前はあったのに。