六本辻ラウンドアバウト

畜産系に強い商社である野澤組が(社長の野澤源次郎氏が?)1915年(大正4年)に開発した別荘地のシンボルとして設けられた円形交差点。
正確には、これまで中央島は存在していなかったので円形交差点とは言えないかも知れない。円形広場と言うべきか。(この行、2015年6月12日追記 Special thanks to @hakozaki

ひと昔前の日本では、住宅地の円形交差点は街のシンボルとして設けられることが多く、ラウンドアバウトとして設計されているわけではない。この交差点も同様で、ラウンドアバウトして運用するには困難な点がいくつかある。「流入路が狭隘」「直前まで見通しが悪い」「環道の曲径が小さい」「店舗(レストラン)駐車場へのアプローチ路が環道に接続している」「自動車・自転車・歩行者が多い」といったことだ。

これだけ難しい課題を抱えながら敢えてラウンドアバウトに切り替えたのは、それまでの交差点運用がカオスだったからに他ならないと思われる。6本の道路が交差する場所なので信号制御が難しく、自転車・歩行者は縦横無尽に横断するし、自動車はどこで枝道に入るのかわからないので、この円形交差点起因のひどい渋滞が頻発していたからだ。加えて、ラウンドアバウトが法制化されるにも関わらず、観光地で多くの人の目に触れる円形交差点でラウンドアバウト運用を行わないと却って混乱するという懸念があるのかも知れぬ。

「直前まで見通しが悪い」「環道の曲径が小さい」点はどうにもクリアできず、それ故にラウンドアバウトの禁じ手「一時停止」を設けたのだろう。2012年11月~2013年3月の社会実験を経て、2014年9月1日の法施行とともにラウンドアバウト運用が始まった。

軽井沢町の社会実験レポートに印象的な一文があったので紹介する。

総体的に、別荘所有者は海外経験が多いためかラウンドアバウトについて理解があり、肯定的意見が多く寄せられました。

結局、これに尽きるんだよね。ラウンドアバウト走行経験の有無。
だから、5年後・10年後に期待したい。

カテゴリーラウンドアバウト
路線町道離山線/町道1-348号線/町道1-13号線/町道1-20号線/町道1-336号線
所在地長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢
実走行日2014-09-15
全景写真
ラウンドアバウト全景。長野県のラウンドアバウトはいずれも自転車誘導をしっかり行っている。
町道1-20号線
町道離山線(離山方から眺める)
町道1-348号線
町道離山線(旧軽井沢方から眺める)
町道1-13号線
町道1-336号線
国土地理院が公開する1946年(昭和21年)6月14日米軍撮影の空中写真。