雲海大橋

2004年8月27日初訪
柿木村内のあちこちで目にする「大井谷の棚田」。村では数少ない観光ポイントなのだ。

国道187号から1.5車線の村道大井谷線に入ると、ほぼ2kmおきに「棚田まであと○km」と表示があってわかりやすい。ただ… なんで、のの字にする必要があるんだ? 橋の下には旧道があり、その道を進む地元車両がかなり多い。のの字を構成する橋は下から順に河原橋・花田橋・雲海大橋で、橋長70mの雲海大橋が村道自身を跨ぐ構造だ。

しかし、棚田は立派なものである。訪れた時期がよかったこともあって、黄金色に染まる直前の、晩夏らしい眺めを満喫した。


2015年9月20日再訪・2015年12月13日追記

たまたま近くを通りがかり、見たことのある風景が目に入ってきたので懐かしくなって再訪してみた。
11年前と大して変わらない風景があった。いや、正確に言えば、棚田鑑賞用の展望台ができていた。しかし集中豪雨被害でそこに立ち入ることはできなかった。

その後の文献調査の結果、いくつかの疑問が解消した。

村道大井谷線は1984(昭和59)年から改良工事設計に着手され、一連の改良は1997(平成9)年1月に完了している。道路改良の目的を明確に記載した文献はなかったが、この時期に行われた周辺の土木工事から推察するに、「狭隘路の改善」「砂防工事」「観光資源である棚田へのアプローチ路確保」を狙ったもののようだ。

下側に位置する河原橋と花田橋の竣工が1993(平成5)年であるのに対し、雲海大橋の竣工が3年後の1996(平成8)年であることに不思議な感覚を持っていた。これは、予算の計画配分という事情だけでなく、雲海大橋の架設方式として「ケーブルエレクション斜吊り工法」(この工法名称は帰宅後に調べてわかったもの)が採用されており、その前段として橋台工事等の準備工が数多くあるとともに、地域住民の日常生活を妨げないための工夫が施されていた模様。

構造方杖ラーメン橋
路線村道大井谷線
所在地島根県鹿足郡柿木村大井谷
回転度270度
実走行日2004-08-27
全景写真


以下は2015年9月20日撮影

雲海大橋全景拡大する
雲海大橋全景。右に花田橋が、雲海大橋の下に河原橋がそれぞれ見える。

花田橋。

雲海大橋の下、大井谷川に架かる河原橋。

棚田の収穫拡大する
大井谷の棚田で始まる収穫。機械は新しくなっても、何年も変わらない風景。