弾丸ツーリング・宇高国道フェリー編

社名に「国道」を冠する会社ってどれぐらいあるんだろう?
ワタシが知っているのは、「国道九四フェリー株式会社」と「宇高国道フエリー株式会社」(およびその子会社の「国道フェリー株式会社」)ぐらいだ。
まるで国が関与しているかのような錯覚を与えかねない社名なので、禁じ手と言えるかも知れない。

ましてや、この両者は 国道+船 という、一粒で二度おいしい存在である。(共感してくれる人がごく僅かという事実は真摯に受け止める。)
いつか乗りたいな、と思っていて、国道九四フェリーは2004年に乗船しているが、宇高国道フェリーはなかなかそのチャンスがなかった。
ぼやぼやしているうちに廃止だの休止だのの報が入ってくる。

話は2年半前に遡る。

高速1000円の影響で宇野高松航路のフェリーが成り立たなくなり、航路廃止の報があった。

「宇高航路」当面存続へ/フェリー1社が廃止撤回
2010/03/04 21:48

岡山県玉野市と高松市を結ぶ宇高航路の廃止を表明したフェリー2社のうち、国道フェリー(高松市)は4日、航路廃止届の取り下げを国土交通省四国運輸局に提出した。当面、減便など自助努力で運航を続けるが、高速道路の新料金発表が見込まれる6月以降、再度存廃について検討するとしている。
同運輸局によると、航路廃止届が撤回されるのは異例。同社は「地域や利用者から強い要望や予想しない反響があったため」としている。
また同社によると、航路継続に伴う合理化策として、現在の3隻22往復体制の減便だけでなく、減船も視野に検討。その場合、雇用を維持できなくなる可能性もあるという。
高松市議会は4日、宇高航路廃止は日常生活に重大な影響を及ぼすとし、国に存続を求める意見書を全会一致で可決した。
国と関係自治体は連絡協議会を設置。2月26日に高松市で初会合を開き、国が航路廃止を前提に、別航路による運航などの素案を示していた。
同運輸局は、会合後、廃止を表明した2社にあらためて存続の意思を確認。もう1社の四国フェリー(高松市)は「より一層の合理化を図り、どこまでできるか検討する」と返答したという。

四国新聞

一旦生きながらえたのだが、今年になって再び悲観的な情報が。

宇高国道フェリー10月から休止 景気低迷で利用者減
国道フェリー(高松市北浜町)が、宇高航路(玉野市宇野―高松市)の運航を早ければ10月18日から休止することが21日、分かった。期間は2014年3月末までの予定で、四国運輸局に近く休止届を提出する。同社は「期間終了後は利用状況を見極め、再開するかどうかを判断する」としている。
同社によると、景気低迷などによる利用者減に加え、14年4月から、競合する瀬戸大橋など本州四国連絡道路の料金が一般の高速道路と同じ水準に引き下げられ、今後の収支改善のめども立たないため決断したという。従業員約80人は関連会社に配置転換する方針。
同社は10年2月、航路の廃止届を四国運輸局に提出。翌月に撤回し、減便によって経費節減を図ってきた。今年6月からは午後9時以降の深夜便を廃止し、1日22往復から13往復に大幅に減便した。
宮脇幸次取締役は「ここ数年間、燃料費高騰で経費もかさみ、航路維持は困難。ただ、通勤、通学者らの生活航路でもあり、高速艇など別の形態での運航再開の可能性を探りたい」と話している。
(2012/8/21 22:06)

山陽新聞

こりゃーまずい、無くなる前に一度乗っておかねば。

しかし、宇野と言えばループ橋や玉野市電跡。高松と言えば琴電や宇高連絡船跡。
さらに周辺には、与島PAをはじめ岩黒島・櫃石島のループ、犬島の銅精錬所跡。
3日あっても足りないぐらいの楽しそうなエリアである。
GWか夏休みに集中的に巡ることも考えたが、そこまで優先度が高いわけではなく、ずるずるといままで先延ばしにしてきたのだが。

日帰りできる距離ではないので、1泊2日か2泊3日。
1泊2日としても、帰宅は深夜になること確実なので、基本的に3連休しか行けぬ。
ここのところ仕事が詰まっているので、有給休暇は自分の首を締めるだけ。
10月17日までの3連休というと9月か10月しかないが、9月は東北が我が定番。
かくして、消去法的に10月3連休が決定したのだが・・・土壇場で最終日に所用が舞い込む。
ええいっ、最悪の場合は3日目の朝に帰ってきたらええんじゃ。そもそも初日に辿りつけんかもしれん。
ユルーいテーマと腹をくくって1泊2日の弾丸フェリー旅を敢行することにした。


往路・10月6日(土)

前日の帰宅は21時。就寝は早くて23時だろうから、早朝割引を得られる時間帯に出発することは諦めよう。
そう思って寝たからなのか、起床は5時。6時過ぎに出発する。
首都高両国JCTと東名町田付近の渋滞は織り込み済み。
足柄SA手前の広域情報案内板に、富士川SA付近で渋滞発生を知らせる情報があり、迷わず新東名を選択。その後も、伊勢湾岸~新名神~京滋BPと、新道ルートで吹田まで。山陽道は通行経験あるが、三木JCT以南は初めてだ。

地図で見ると玉ねぎの断面のような激しいループ構造の垂水JCT。実際に走ってみたらどんな印象なのかな?と、少し勘違いした期待を持ってしまったのだが、淡路へ向かう道は単にまっすぐ進むだけだ。

明石海峡大橋はSAから眺められるが、大鳴門橋は一旦高速外へ出る必要がある。
大鳴門橋に差し掛かる直前の標識「この付近強風 二輪転倒注意」(これが高速道路フォントなんだなー)にビビりつつ、無事渡橋。鳴門北ICで降り、ここから高松まで下道で向かうつもりで、まずは鳴門公園へ。

ここで(私にとっては)新しい発見。
大鳴門橋って鉄道併用橋になることを想定して、二段構造になってるのね。
で、今は使われていないので、観光用に途中まで通れるようになっているらしい。有料なのでスルーしたが。
というか、明石海峡大橋を併用橋の構造にしなかったのだから、もはや大鳴門橋を鉄道が通ることはないと判断するべきで、歩行者自転車原付を通せるようにするほうがいいんじゃないかと思う。てなことは私が言わなくても、地元で叫ばれていると想像するが。

その後、徳島r183(鳴門スカイライン)でR11へ。下の写真は有料道路だった時代の料金所跡らしき場所である。

播磨灘沿いのR11はのんびり感がいい。想像していたよりは早く、しかしうどん屋はとっくに閉店した時間帯なので、淡々と高松を目指す。
ほぼ日が沈んだ頃、無事高松に到着。宿にチェックインした後、徒歩で宇高国道フェリー岸壁へ向かう。

たかまつ丸、出航。

こくどう丸、出航の時を待つ。

だいぶ疲れた様子のネオンサイン。LED看板に比べて、なんと味のあることよ。

こちらも疲れた感満載の看板。

R30の起点から旧宇高連絡船岸壁方面(正面の高いビルは全日空ホテルクレメント高松)を眺める。

R30、四国側起点の証。
距離標と、その前の路面に埋められた銘板。こういう形式は一般的なのか?

復路・10月7日(日)

5時30分起床。
いや、本当は5時に起きて7時の宇野行きに乗るつもりだったんだけれど、前夜のビールが効いておる。シャワーを浴びて身体をシャッキリさせて、7時に出発。

東浜の瀬戸大橋通りに立つ看板。これもなくなるのだろうか。

宇高国道フェリー高松港ターミナル前は、四国におけるR30の起点。
それ故に、このようにアバウトな青看が。
四国の県庁所在地一覧を兼ねているのかと。

乗船券をデイリーヤマザキで購入した数秒後、その横で改札となり、写真を撮る間もなく乗船券が回収された挙句、さっさと乗れ、と。

乗船したら宇高三姉妹の三女まりん(こくどう丸担当)がお出迎え。船内アナウンスもまりんである。この萌えボイスがたまらなくウザい(笑)
初めて聞くのにそう思うのだから、毎日聞くと殺意が湧きそうだ。

それにしても、「宇高うどんフェリー」とは、思い切りのよさがいい。国道なんかイラネ。ってことか。競合の瀬戸大橋(瀬戸中央道)もR30の自動車専用道だしな。

高松港出航。白い水の尾が海上国道のしるし。
・・・って水の尾がないじゃんw

高松港防波堤通過。色褪せた固型救命筏。

島影から現れた僚船はこんぴら丸かたかまつ丸か。

宇野港にまもなく入港。

宇野港ターミナル。
うた船長を探したのだが、公休日だったのか見当たらず。

R30の本州側終点地へ。いまは殺風景だが、宇高連絡船が在りし日は、ここがまさに駅前ロータリーの場所だった(と思う)。

反対側(西側)からR30本州側終点を眺める。まぁ、こっちから見ても殺風景だわな。

上の写真、セブンイレブン横の書店前路肩に示された距離標。

宇野橋の取材を経て、岡南飛行場へ。「関係者以外立入禁止」の標識や看板があまりにも多く、本当に入ってもらっちゃ困るらしいので、写真だけ撮って撤収する。

揖保乃糸にて昼食。
家の外でそうめんを食べるなんて、流しソーメン以外では初めてじゃないか?そうめん寿司が結構いい味だった。
というか、自宅でそうめん寿司を作るときは、賞味期限切れのそうめん在庫処分目的だからなあ。

三坂杣谷林道ループの取材を経て帰路につく。

帰路も新名神を通るつもりが、あろうことか草津JCTを見逃す。
四日市より短いがしびれる渋滞の一宮を抜けたらクタクタ。もはや岡崎の渋滞を抜ける気合などないので、中央道に逃げる。
談合坂通過は23時過ぎだったが、それでも20kmの渋滞。やっぱり、関西から帰ってくるときは長岡経由が最強か?

ということで、帰宅は日付を越えた10月8日(月)午前1時。
走りごたえのあるツーリングでした。
事実上2日間のツーリングの走行距離としては自己レコード更新確実だな。(記録してるわけじゃないけど)



走行距離 : 1,516.3km ( 往路 : 792.4km 復路 : 723.9km )
走行時間 : 19時間54分 ( 往路 : 8時間31分 復路 : 11時間23分 )
平均速度 : 76.2km/h ( 往路 : 93.0km/h 復路 : 63.6km/h )
 ※復路の走行距離・時間・速度には、海上区間(乗船中)を含む。
給油総量 : 58.78L
平均燃費 : 25.80km/L