三坂杣谷林道ループ

2010年の南紀ツーリングNatural High Freaksさんに教えてもらった三坂杣谷林道ループ
正確には、「姫路の奥にループがあるって、ネットで見たで」との情報だった。

姫路というのが東京からは中途半端な距離で、訪問する機会を作るのがなかなか難しかった。
結局、情報を入手してから2年半も経ってしまった。
何十年も前のことだが土石流があった場所だそうで、ここ数年の集中豪雨で崩れてしまったんじゃないか?と心配しつつ、現地へ向かうためにR29を北上する。R29は、その昔、姫路に住んでいた頃、親に連れられて戸倉スキー場へ行く際に使っていた道だ。

姫路の市街地からほんの30分ほどとは思えぬ田園風景。
県道80号を東へ2kmほど入ったところに、そのループトンネルがある。

国土変遷アーカイブによれば、1964年の航空写真では存在しておらず、1973年ははっきりわからず、1975年でおぼろげに、1982年でくっきりと存在を確認できる。というわけで、昭和40年台後半に建設されたと想像すればいいだろうか。

三坂の集落から林道に入った途端に路面は荒れ、轍を識別できないほどに雑草が生え、滅多に車が入らないことを示している。
こりゃ崩壊してるかも、と予測して、極低速で進む。
予習どおり祠を過ぎて橋を渡ると、見えた。のの字だ。
この先がどうなっているか心配なので、一旦ここでバイクを停めて徒歩で向かう。

ボックスカルバートの直前に橋があるが、その路面はコンクリートなのかダートなのかわからないほどに荒れている。そして、徒歩なら十分広い道なのに、そこらじゅうでブービートラップにひっかかり、戦場なら真っ先に死ぬ人間だと自覚する。ちなみに、そのトラップを仕掛けているのはクモだ。

のの字内部は手組の石垣。これはいい仕事だ。トンネル部がコンクリートなのに、ここは何故石垣なんだ?と疑問に思いつつ、のの字を進む。ぐるっと回ったところで落石発見。路幅の8割を占める落石で、クルマは通行不能。轍もない。崩れて数ヶ月は経過しているだろう。どうやら復旧される見込みはなく、廃道化進行中と考えてよさそうだ。

この先には何もないことを知っているので、写真だけ撮って引き返す。
のの字途中の路肩には滝があり、取水パイプらしきものが通されているので、この道が完全閉鎖になるまでにはまだ当分の猶予がありそうだ。

路線林道?
所在地兵庫県姫路市安富町三坂
回転度270度
実走行日2012-10-07
全景写真

擁壁を見ただけでは古くない印象を受けるが、路面の荒れ方はハンパない。

のの字内側から下を眺める。のの字内部は手組の石垣だ。

のの字交差部の少し上。簡易舗装の路面に砂利が散乱していて、バイクでも通りたくない。

崩落現場。クルマが乗り越えた形跡はない。

少し奥で、再び崩落発生。この道の左側は鉄骨のビームで路肩が補強されている。

上の写真の中央部あたりから左側を写した図。冬場なら落葉してのの字の様子がよくわかるはずなのだが。

上の場所を下から眺めた図。この崖は人工的な匂いを感じない。

のの字部の路肩にある小さな滝。取水パイプらしきものが見える。