クロスカブとCRF250Rallyのトップケース製作

クロスカブに乗り出した当初は、F650GSで使っていたヘプコのXPLORERを使い回せるように工夫したが、その1年後にXPLORERが崩壊。2010年から10年使ったので経年劣化は明らか。というか、10年で4万円が吹っ飛ぶのか。5年ほどで接着ブチルゴムが劣化して浸水するようになったし、コストパフォーマンスはあまりよくないな。

Hepco&Becker XPLORERを積載したクロスカブ

ともかく、クロスカブ用のケースを調達することが喫緊の課題となった。私の価値観としてはトップケースとして市販されている製品よりもホムセン箱のほうが優位なので、2020年10月3日から本腰を入れて自作の構想設計に着手。

要求事項は次のとおり。

  • 不使用時はバイクから外して屋内保管、格納する棚の最大幅は58cm
  • XPLORERと同程度43L以上の積載容量を確保
  • 闇夜でも実入りケースを4アクション以内で脱着&ロックアップ
  • クロスカブに似合う

「クロスカブ」「ホムセン箱」でネット検索するとうじゃうじゃヒットするが、95%はRVBOXで、しかも完全固定。それはポン付けレベルなので興味なし。

車両が黒なのでケースはボディもフタも黒がいい。この条件で、アステージOEMのカインズ収納ボックス(フタ付ハードコンテナ #45 ブラック)を採用することが決定し、10月10日から基本設計を開始した。試行錯誤を経て、10月25日に試作品1号完成。

アステージのコンテナボックスシリーズでフタと本体が接する部分の防水処理(パッキン)が施されているものは半透明のみ。今回購入したボックスはパッキンがなく降雨浸水を懸念したが、暴風雨・長時間の雨天走行ともに問題ないことを確認済み。

幾度かのツーリングで検証して都度改良してきた。CRF250Rally納車によりキャリア形状が異なるために抜本的見直しが必要になったので2021年10月10日から試作品2号の製作に着手、10月17日に完成した。目標はほぼ達成、暗闇で実入りケースを3アクションで脱着可能な構造になった。(ドヤ

試行錯誤は大胆に割愛 --8<-- して、工夫の施策を以下にまとめる。

1. 前後方向・横方向の移動防止策

前後左右に動かないようにするために、トップケースの何かをリアキャリアの主材・支材に当てることが王道だ。リアキャリアが鉄製なのでケース側は非金属がよい。我が工作精度は±2mmが限界なので、ゴム足や戸当りゴムをケース底部に取り付けることにした。

ケース底部にリアキャリアを当てて取り付け位置を決定、ケースにドリルで穴を開けた後に補強板のシナベニヤに穴開け位置をマークしてドリルする順序で作業すれば、大幅な位置ずれを防ぐことができる。

ゴム足・戸当りゴムは様々な選択肢があるが、上下運動で10mm程度浮き上がっても外れない長さが必要で、円錐形状より円柱形状のほうが望ましいと考えたが、円柱形状の適当なサイズのものがなかったので今回は円錐形状のものを購入した。

リアキャリアをボックス底面に当てて穴開け位置を決定、移動防止を狙ってゴム足を装着

やや蛇足ながら、騒音防止の意図でケースとキャリアに接触する位置のキャリア側にビニールチューブを巻き付けたが、これがズレ防止とキャリアのキズ防止(鉄製なので塗装が剥がれると発錆する)に有効だ。

2. 上下方向の移動防止策

前後左右方向移動防止と合わせてツイストロックできる仕組みがベストではあるが、それはさすがに無理。実入り状態で(つまり、ケース内部に手を入れることなく)固定し、緩まないこと。ベルトを使うのが最も簡単ということになる。

ダイソーの荷締めベルトを用いることを前提に、キャリアの幅に合わせてケースに25mm✕2mmの穴を2箇所に開ける。ドリルで点線状に穴を開けた後にカッターナイフと平ヤスリでゴリゴリ削る。補強板のシナベニヤも同様に穴を開ける。

試作品1号では1本のベルトで済ませようとしたがケースの前転・後転の動きを十分に抑えられないことが判明、2本のベルトを用いる結論に至った。

ダイソーの荷締めベルトは2mあって長過ぎ、タイヤに巻き込まれない程度の適当な長さに切る。カットした端部をそのままにするとほつれるので、ライターで軽く炙っておく。

3. ケース底面変形防止とクロスカブ/CRF250Rallyの積載共通化施策

ケース底面積はキャリアよりも広く、キャリアの両側にはみ出す。ケース内にそこそこの重さのものを入れて走行すれば自ずと上下運動を繰り返す。やがてケースが疲労して折れ・割れにつながるおそれがあることから、底面補強材は不可欠である。4mm厚のシナベニヤ板を底面にボルト固定することで荷重を分散させる。

ボックス底に敷く補強材のシナベニヤに穴を開けた後、塗装

クロスカブとCRF250Rallyの積載共通化とは上述のゴム足位置の共通化だが、キャリアの主材・支材の位置が大きく異なるので何かを諦めなければならないことは予想していた。しかし、見事なまでに共通化に適切な位置がなく、なんとクロスカブとCRF250Rallyの積載共通化自体を諦めなければならないことがわかった。

ということは、家の中にトップケースを2つ置くことになるので別の問題が発生する。ならばアクティブストッカー600のようにネスティングできる形状のコンテナボックスにする案はあるが積載容量が減るし、何よりも屋内保管の棚に格納できない。あちら立てればこちら立たず。

正確には、CRF250Rallyに合わせたケースをクロスカブに積載することは可能だが、ゴム足が前移動防止の2個しか機能せず、左右移動防止は1cmの空隙があるためガタつくことが避けられない。せいぜい3kgまでの積載にしないと、急ブレーキ時に自分自身が背後から爆撃を食らうリスクがある。残念。

4. フタを開いた状態で手を離せる施策

アステージのボックスはフタと本体が完全分離するため、ボックスを開けた時にフタをどこに置くか迷うことになる。強風時には飛ばされるかも知れない。対策は蝶番でフタと本体を接続することが最も簡単な方法。しかし、フタを取り払いたい場面もあるだろう。2つの要求を解決する方法として抜差蝶番TH-11SUS-Rを採用した。リンク先の蝶番なら、少々変形するもののフタをしたときに本体との間になんとか収まるサイズである。ポイントは勝手違い。左サイドスタンドで停車しているときに開ける場面を考えると、左勝手だとフタの重量で自然に外れてしまうのだ。
なお、引掛蝶番でもよいが、ある角度で確実に外れることに留意する必要がある。

取り付けにあたっては、蝶番内側から極低頭ネジM3✕6mmで、外側はステンレス黒色塗装のM3袋ナットとして「目立たない」ことを心掛けた。なお、普通の小ねじだとヘッドが高過ぎてフタが閉まらなくなるので、極低頭ネジは必須である。

抜差蝶番を極低頭ネジでフタに取り付け、本体側はブラインドリベットを打つ

これだけではフタと本体を接続しただけで、フタを180度開くと蝶番に負荷をかけてしまうし、何よりもみっともない。120度ぐらい開いたところで止めたいが、適切なサイズのダンパー付き蝶番はない。そこで、原始的ながらパラコードでストッパーを作る。パラコードのエンドは本体に取り付けた三角吊カン(ビラカン)に結び付ける。本体側は取っ手に隠れるのでブラインドリベットを打ち、フタ側は蝶番と同様に極低頭ネジM3✕6mmとステンレス黒色塗装の袋ナットで締めた。

フタに穴を開けて浸水しないの?という気がするが、フタのコルゲート構造の山部分なら水が溜まることはなく、穴サイズとボルトサイズを合わせ、念の為にシリコンワッシャを咬ませれば浸水することはない。

5. その他の利便性向上施策

(a) ロックアップ
トップケースはがっちり固定しているので不意に脱落する心配はなく、ロックアップの目的は駐車時のセキュリティである。買った記憶はないがなぜか自宅にあるエレコムのPC用セキュリティケーブル。3mmワイヤーをビニールチューブでコーティングしたもので、普通のニッパーでは切断不可能。一端はアイ加工され、もう一端はφ7mmの穴があるので、トップケースに巻きつけてヘルメットホルダーに掛けることで、意外なほどにセキュリティ度が高まる。鍵紛失の心配もない。ヘルメットホルダーがないBMWではできない技だ。もちろんそれだけでは不安な場合があるので、南京錠を併用している。(セキュリティの観点から写真は非公開)
(b) サイドバッグ取り付け
釣具メーカー・タカミヤのREALMETHOD ターポリン防水メッセンジャーバッグ TG-8697(2019年に購入したが、2021年現在は廃盤商品)をサイドバッグとして利用中。ショルダーベルトを上下逆に取り付け、そのベルトフックをバイクに掛けて固定している。そのリア側掛け具がトップケース下に取り付けたグランドフックだ。

サイドバッグを掛けるグランドフックをトップケース底面に取り付け
(c) ちょっとだけ積載量を増やす
キャンプしない1泊2日ツーリングはトップケースだけで出かけるが、積載容量が拡張できないことが課題。エコバッグ等を簡単に縛り付けたり濡れたカッパを一時的に格納する場所として、自転車用セキュリティネットをトップケース前面に常時装着することで解決。
(d) フタ閉め忘れ警告装置
トップケースのフタを閉め忘れたことが何度かある。フタ固定ハンドルに蛍光色のテープを貼り付けておけばヒラヒラと踊る様子がミラーに映るので、アナログながら検知の精度は抜群だ。使い古して廃棄寸前のダイソー ワンタッチバンドを活用。
(e) 非常用携行缶ホルダー
クロスカブでやっちまいがちな「ガス欠」対策としてX-EUROPEの500ml携行缶を備えている。ガソリンなのでトップケース内に置く気にはならず、それ以外の場所も落下のリスクが大きいため、トップケース外側に二重の安全措置で固定できるようにした。万が一の転倒の際にも携行缶の破損は避けられる位置だと思う。携行缶を入れている袋はセリアで売られているネオプレン材のペットボトルカバーで、適応サイズは直径6.5cmとパッケージに記されているが、直径8cmの携行缶にジャストフィットだ。

積載量を増やす自転車セキュリティネットとフタ閉め忘れ警告装置と非常用携行缶ホルダー

6. 製作コストのまとめ

アイテム 購入元 数量 単価 税込金額
TM-K9W ゴム足K型 ミスミ 6 65 390
トラス小ねじステンレス M5-25 ミスミ 6 33 198
ゆるみ止めナットステンレス M5 宅内在庫品 6 0 0
グランドフック TFA-2.5 ミスミ 2 233 466
トラス小ねじステンレス M4-15 宅内在庫品 2 0 0
六角ナットステンレス M4 宅内在庫品 2 0 0
抜差蝶番 TH-11SUS-R ミスミ 2 229 458
スリムヘッド小ねじステンレス M3-6 ミスミ 5 9 45
袋ナットステンレス黒色塗装 M3 ミスミ 5 37 185
三角吊カン 宅内在庫品 2 0 0
シリコンワッシャ M3 宅内在庫品 1 0 0
ブラインドリベット 宅内在庫品 5 0 0
カットシナベニヤ 4mm 300✕450 カインズホーム 1 438 438
荷締めベルト 2m ダイソー 1 110 110
PCセキュリティケーブル エレコムESL-W2046 宅内在庫品 1 0 0
自転車用セキュリティネット セリア 1 110 110
フタ付ハードコンテナ #45 ブラック カインズホーム 1 1,480 1,480
合計 3,880

一部宅内在庫品を使ったので、本来のコストは5,000円を少し超えるぐらいか。トップケース自作の目的は安くあげることではないので一層のコスト削減に取り組む意欲はないが、余地はありそうだ。

CRF250Rallyに積んでも、なんとか許容範囲の見栄えか?

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