ラウンドアバウト?

ラウンドアバウトの世界発祥ははっきりしていないが、そのひとつであるイギリスには数多く存在している。
イギリス内では、ロンドンの北50kmにあるLetchworth Garden CityのSollershott Circusという交差点に1908年に設けられたものが最初らしい。もし、もう少し早くイギリス内で普及していたら、日本の交差点はラウンドアバウトが基本になっていたかも(※)知れない。そんなワケないか。
※当時の日本政府は、交通システムをまるごとイギリスから輸入していた。

日本でも戦前から円形交差点が存在していたが、環道優先として設計されたものかどうか確認できないのが実情だ。2013年6月14日改正道路交通法で「環状交差点」が定義され、また、前後して国土交通省でラウンドアバウトの整備について検討され、2014年9月1日から全国19箇所で、その後も順次運用が始められており、そのおよそ半数は環道優先で設計されていると見られる。

ここで、ラウンドアバウトの各部名称を確認しておこう。

中央島(central island)とか分離島(splitter island)って、いかにも直訳であるが、他に適当な日本語はないのだろう。中之島や巌流島なんて名付けるわけにはいかないし。

そして、「ゆずれ線」は英語でなんて言うんだろう。直訳すれば"yield line"になるかも知れないが、これは「横断歩道近し」の三角形ペイントを連想するので、たぶん違うだろう。

ラウンドアバウトの特徴は種々論じられているが、代表的なものは以下に掲げる8点であろうか。

  • 3本以上の道路が交わる地点に設けられる(ちなみに、2本の道路ならそれは安全地帯の可能性が高く、1本の道路ならクルドサックだ)
  • 環道内一方通行(日本では右回り)
  • 環道優先
  • 環道走行車両の走行を妨げなければ、流入時に一旦停止不要
  • 環道内駐停車禁止
  • 横断歩道と環道は明確に分離され、流出入車両は歩行者に対する注意と環道走行車両に対する注意を同時に行う必要がない
  • 中央島やラウンドアバウト周辺は車両運転者視点で見通しが確保され、背高な植栽がない
  • カッコイイ(嘘)

このサイトでは、ラウンドアバウトとして設計されたもののほか、昔から存在(放置?)している円形交差点の現地事情をできるだけ客観的にレポートする。と言っても、全国に170以上存在しているので、取材完了はいつになるか疑問だ。

日本のラウンドアバウト・円形交差点

公安委員会指定のラウンドアバウトから、ラウンドアバウトにするつもりなんてないただの円形交差点まで、さらには作ってみたけど誰も通らないので朽ちていく円形交差点も含めて、地図に纏めてみた。


4 Comments

  1. 相模原市中央区矢部の榎町交差点。今昔マップで確認したところ、1980年代前半まではロータリー交差点だったようです。現在でも、跡地がはっきりと見えます。
    緯度: 35.56893
    経度: 139.38915

    戸田市議真木氏のブログによると、戸田駅前の交差点は、ラウンドアバウトではなく、ラウンドアバウトと似た通行方法のロータリー交差点のようです。
    https://makidaisuke.jp/blog/%e4%ba%a4%e9%80%9a%e3%81%a8%e8%87%aa%e8%bb%a2%e8%bb%8a/%e6%a4%9c%e6%8c%99%e3%81%8c%e5%a4%9a%e7%99%ba%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%84%e3%82%8b%e6%88%b8%e7%94%b0%e9%a7%85%e8%a5%bf%e5%8f%a3%e3%81%ae%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%82%bf%e3%83%aa%e3%83%bc/

  2. westantennaさん、情報ありがとうございます。
    相模原市役所さくら通り(補給廠西門から上溝へ延びる道)にはロータリーの痕跡らしき交差点が2ヶ所あり来歴を調べたいと思っていましたが、榎町交差点はなぜかノーマークでした。
    戸田駅西口については公式発表では環状交差点が取り消された旨の記述がなく現調が必要と感じているものの、まだ訪問できていません。暫定運用との話だったので賞味期間は短いのですが。
    これからもお気づきの点あれば情報提供お願い致します。

  3. RasandRoadさん、
    このウェブサイトを見つけてから、とてもラウンドアバウトや円筒分水への興味が高まっています。先日、立川市栄町に、かなり小さい円形交差点を見つけました。下記ページに書きましたので、よろしければご覧ください。
    http://westantenna.com/?p=354

    • 興味を持っていただきありがとうございます。
      westantennaさんの視点で別の見方・鑑賞の仕方を読めることを楽しみにしています。
      なお、ご存知かと思いますが、円筒分水は先駆者であり大御所である円筒分水ドット・コムさんが圧倒的な情報量ですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA