北海道ツーリング2013 Day1

8月4日(日)
04:50、ゆうかりを下船して小樽上陸。
今回のメーンイベントであるオロロンラインを目指す。
まずは、国道231号旧道である石狩浜方面へ。約40年前は現役だった国道フェリーの痕跡を訪ねるのだ。

国道231号沿いにある「川の博物館」の北側、出光セルフあたりで現道は右にゆるやかにカーブし、旧道が一直線に伸びている。この道道を北へ辿ると、やがて突然舗装状態が悪くなる交差点に到達する。これが道道225号小樽石狩線の終点であり、国道231号旧道の屈曲点である。

この写真は、道道終点を北側から眺めたもの。右手に伸びる2車線道路が道道。左手に進むと、渡船乗り場があったはずの場所だ。国道に指定された1955年当時は決して珍しくない渡船だが、国営渡船は貴重な存在だったはずだ。川幅240m、約10分の船旅・・・という悠長な話ではなかっただろう。最終便に間に合ったので飛び乗ったはいいが、トイレが我慢できなくなって、川に目掛けて排出、なんてこともあっただろう。

旧国道脇に残る、菓子屋を営んでいた金谷商店の石蔵。菓子屋が石蔵かよ?って気がするが、これが建てられた明治はそういう時代だったようだ。近所に尚古社私設資料館なるものがあり、その館長から聞いた話だが、石狩浜は入植ではなく、北方アイヌとの交易拠点として栄えてきた港町とのこと。

歩いて3分のところに無料ライダーハウスがあるから泊まって、石狩浜のことをじっくり調べてけ、と言われたが、まだ朝6時前ですぜ・・・
というか、この場所で無料ライハですか。もしかすると、札幌市内に一番近い無料宿かも。

話を聞いていて予想外に時間が経ってしまったが、国道渡船があったころは土手がなく、風景は一変しているとのこと。
ともかく、土手の上に上がってみる。

土手から南を見ると、典型的な河口漁村の風景である。

北側を眺めてみると、そこには渡船場の岸壁らしい構造物が残っていた。防舷材の痕跡が見える。

ピーク時には2時間待ちという事態も決して珍しくなかったという石狩川河口渡船。
特に保存される様子もなく、静かに朽ち果てていく様子は、まさに産業遺産そのものだ。

対岸の様子はDay8を待て。

望来の坂道を越えると見える風景。否応なくスイッチが入る。来たぜ、オロロンライン。

濃昼山道や国道231号旧道の踏査はあまりにも写真や資料が多いので、後日別記事を作成する予定。

送毛エリアは旧道現道ともに見るべきものが多いのだが、まずは旧道である送毛山道へ。ここは峠の南側1.2kmにダートが残る。現在は市道だが、元国道なので道道スペックぐらいはあるはず。と思ったのは正解だったのだが・・・

ここから1.2kmの区間が非舗装路。なんで敢えて残してるのか?

ヘアピンを2つ回ったところで、♪な気分で撮影してみたものの。
この20m先から砂利撒きたて区間に突入。

これが千本ナラ。しゃもじに願い事を書いて幹に差し込むならわしらしいのだが、どこで買えるのん?
微笑ましい願い事のなかには、当然の如くアレ?てなものも。
「○○(←人の名ね)が一生後悔するような失敗をしますように」
なんてね、もうね。願いのやり方が違うよ。そういうのは藁人形と五寸釘、っつうのがならわしなのだよ。

雄冬岬トンネルの北側に、浜益~雄冬間の国道231号が開通し、雄冬が「陸の孤島」から解放されることを記念して建てられた石碑と「白銀の滝」がある。その雄冬岬トンネルは、開通の40日後に大規模崩落が発生する等、トンネルができたからと言って安心して通行できる道路ではなかったようだ。さらなる安全を期して、新雄冬岬トンネルの工事が進められており、それが完成する2015年11月には、地理上の雄冬岬は再び海上からしかアクセスできない場所になる見込みだ。

国道231号開通記念として雄冬に設けられた「サンセットウェーブ」というモニュメント。雄冬キャンプ場の脇に置かれた、というべきか。まるで下水管の余りを鎮座させたように見えるが、実はステンレスである。このために作られたのは間違いないだろう。
このパイプの中に日が沈むのは何月何日頃だろうか。正確な方位を測らなかったことを少し後悔する。

集落の少し北側に、展望台の看板があったので、とりあえず駆け上がってみる。展望台駐車場に墓地と遺跡があるというのが何とも微妙な場所だが、景色は素晴らしい。どこの南の島の海ですか?なんて色をしている。

当初のイメージでは、濃昼~増毛の約60km区間を6時間かけて取材して、留萌を12時頃に通過するはずだったのだが、実際には13時30分。

2011年に食いそびれたウニ丼を目当てに、鬼鹿までやってきた。「すみれ」である。名物はウニ丼よりもトンカツ丼らしいのだが、上陸初日の身としてはやはりウニ丼でしょう。

ということで、うにまんぞく丼を食べる。

この後、羽幌炭鉱・築別炭鉱跡を目指すが、時間は既に16時。単独行で廃墟巡りする時間帯ではない。アッチ側に仲間入りしてしまう心配をせねば。

「コンビニのない村・初山別」を過ぎ、旧羽幌線金駒内橋梁を眺めて、設営地を目指す。

鏡沼海浜公園到着は18時。
微妙な夕焼けを眺めつつ、変わらぬ小●臭の風呂を浴び、浴場施設内に併設のレストラン「夕映え」でしじみラーメンを食べる。
セイコマでビールや翌日のパンを入手してテントに戻る。

ビールを飲みながら、20分間長時間露光させてみたが・・・設営地付近はかなり暗いと思ったのだが、やっぱり明るいのね。
ともあれ、今夏も来道できたことに乾杯!


Day1の走行距離 : 330.3km