ツーリング

NZツーリング Day3

事前の計算では今日が最長走行となる、Milford Soundまでのイッキ走り、Milford Soundに16時までに着かなければいけない。
9時間で540km。平均速度60km/hって、現実にはマズいスピードで走らにゃならん。どうか免許証が無事でありますように。


5時半に起床、外はまだ真っ暗。今の季節、だいたい朝7時過ぎが日の出なので明るくなるのは06:45頃だ。精算は前日夜に済ませておき、鍵は部屋に置いておけと宿の主人から言われていたので、インスタントコーヒーを飲みながら荷物を手際よく?パッキングして、7時前にはバイクにサイドケースを取り付ける。

ホテルの前にはこんな標識が。日本人の感覚では、未舗装高速道路の本線を挟んでホテルが建っているなんて考えられないよ。
つか、未舗装高速道路って・・・
ここ、ホテルのオーナーの子どもたちが自転車でチョロチョロしてるんですけど。犬が走り回ってるんですけど(笑)

そして、7時過ぎに朝日が昇る中を出発。吐く息が白く、まだまだ寒い。当然グリップヒーターは強。というかグリップヒーターは滞在中は常にオンだったが。
すれ違う車もなく、淡々と土ぼこりを上げて南に向かって走る。13kmほど走って本日のグラベルロードは終了。

Danseys Pass Road、楽しい道でした。また来たいなあ。

Hills CreekからBecksまで、State Highwayから離れて面白そうな道が延びている。まず、名前が “Loop Road” で、我が心をくすぐる。 [Google Maps]    
そして、ニュージーランド政府観光局が「1882年に営業を開始したバルカン・ホテルは幽霊が出るといわれています」と言及するほどに不気味?なVulcan Hotelに是非とも行ってみたい!という衝動を抑えつつ、先に進む。

Danseys Pass Coach Innを出発して2時間少々。ようやく街らしい町 Alexandra に出た。
バイクに給油して人間にコーヒーを注入する。ここで念願?のステーキパイを食べた。市販品を自分で電子レンジで温めるってのがちょっと残念だけど、自家製パイを食べたけりゃカフェ等に行くべきだよね。 [Google Maps]    

ニュージーランドのあちこちで見かけた、派手な花。なんて花かな?

あぁ、またもやこういう景色に立ち止まってしまった・・・

でも、なんか落ち着く。

今回のツーリングで最南端の地、Gore。 [Google Maps]    
ということは我が人生の最南端ということだ。

Milford Soundまで257kmの距離案内。日本でもこれぐらいの距離案内は珍しくないものの、それが目的地だとクラッと来るのだが、この日はなぜかワクワクする。

ま、そんなこんなで比較的順調にTe Anauまでたどり着き、人馬ともに補給する。この先、Milford Soundまでマトモな街がないので、給油は必須だ。

そして日本出発前にMilford Sound行きのために参考にしたサイトやブログのどれを見ても個人旅行の人たちはTe Anauのサブウェイに寄って食事をしていた。私も日本人なので?ここで食べていく。

なんなんだろう?このステッカー。サブウェイの配達車かな?
ここからMilford Soundまでは120kmほど。食事を済ませたのが14時ちょうどなので、余裕はないけど無理もない時間かな。

Te Anauの街を抜けた頃、「Milford Soundまで110km。だいたい2時間かかりまっせ。」って案内標識が出ている。そんなことあるかいっ!100km/hで走ったら1時間ちょいやろ?・・・と思ったが。
そして、街を抜けた直後から強い雨が降ってきた。対向車は濡れているし、バイクはカッパを着ている。こりゃワタシも着ないと。

延々と雨の中を走る。
ブラインドカーブが続く結構なワインディングでスピードを上げられない。途中、Knobs Flatという平原にパトカーがうようよいて、速度取締りをやっているようだった。ずっと続いてきたウネウネ道が突然直線道路に変わるところなので、おのずとスピードを出したくなる場所。気をつけないと。

景色が変わってきて、Milford Soundに近づいていることを実感する。ほんと、フィヨルドってこんなんなのね。晴れてりゃ絶景だろうに・・・

大きな誤算だったのがこのホーマートンネル。対面通行できないらしく15分間隔の交互通行で、そのための信号がある。まるで一昔前の釜トンネルやな。

ホーマートンネルに到着した時点で15時40分を過ぎていた。やべ。間に合わないかも~。事情を説明して先頭車の前に出て信号待ち。あとは滑って転ばないように気をつけて、ひたすらに前へ前へ。

頑張った甲斐あって、なんとか16時05分にMilford Soundの駐車場にたどり着いた。Te Anauで見た「だいたい2時間かかりまっせ」の標識はウソではなかった。

さぁ、急げ急げ。とバタバタ準備する。ここでとんでもないミスをやらかしていることに気づかず、桟橋に停泊している “Milford Wanderer” に駆け込み乗船する。ん?この感覚、いつかも経験したなぁ。あ。いつものことか(汗

私が本当に最後だったようで、乗船と同時にもやいを解いて桟橋を離れる。当然、カッパを着たまま乗船したのだが、ワタシを見るクルーたちが口をそろえて「準備のエェやっちゃな。ま、存分に楽しんでくれや」と声をかけてくれた。

船内では、艇長(船長だと思うのだが、自ら「スキッパー」って言ってたので)が何やら船内での注意事項やこれからの予定を話しているようだが、どうにも英語がわからん。あれこれ悩んでも仕方がないので、後でクルーに声をかけます。「もし、やったらアカンことをやってたら優しく(←ココ強調)教えてな。」

そうこうしている間に、船はシール・ポイントを通過。岩の上にいるのがオットセイだそうな。

ようやく雨がやんだ。そして、湾内にかかる虹の橋。おぉ。雨のMilford Soundもエェやないの。

やがて、青空さえ見えてきた。んーー、明日もこんな天気やとえぇのにな。

クルーのひとり、マイクがマイクを持ってなんかしゃべってるけど、ナニを言ってるんだかわからん。どうやら夕食のことらしい。

後で彼と雑談していたら、彼の奥さんは岐阜出身の日本人なんだそうな。なので、ほんの少しは日本語がわかるっぽい。そこで、ギフにはペガサスが空を飛ぶ街があるんだよ、って教えてあげた。彼は目を輝かせて、「家に帰ったら聞くよ!」と英語で答えてくれた。
や、飛騨のことなんだけど。馬が単で飛ぶんだよね・・・って奥さんは解説してくれたかしらん?

湾内を軽く周航した後、Harrison Coveという入り江でブイに係留する。この日はこのままここに停泊するそうだ。そして、船に積んでいるカヌーでこの入り江を散歩タイム。

結構な年配の方々が多いけれど、みんな元気。すいすい漕いでいく。早々に船に戻るのはKYなチャイニーズだけ。

要所要所でクルーが歴史とか氷河の仕組みとかを解説してくれているっぽいが、やはりよくわからない・・・ま、雰囲気で理解するしかないね。

ベッドは乗船時には決められていた。1部屋4人部屋で、2段ベッド(英語ではボンクと言う)が2つ。基本的に男女別に振り分けられている。

この日の乗船客は、アメリカ人のダンスコミュニティ30人、台湾からの観光客13人、その他もろもろが20人。計63人。日本人は私1人だけ。
で、このアメリカ人ダンスコミュニティがチョー元気!60代~70代の人たちらしいのだが、食う食う飲む飲む話す話す漕ぐ漕ぐ踊る踊る。夕食後21時過ぎから船内消灯の22時30分まで船首楼甲板で、フォークダンス踊りっぱなし。初めて、本格的指導者の元、生演奏でマイムマイムを踊ったよ。

振り返ってみれば Day2 よりは少ない走行距離だったけれど、16時までに着かなきゃいけないってのはかなりのプレッシャーだったようだ。ビール1本だけで23時頃には深い眠りの中にいた。

この日の走行距離 : 520km
この日の給油量 : 19.19L

NZ2 Index

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