今日は西海岸を北上します。
事前の情報が全くなかった宿 "The Old Church" がどんなトコなのか、とっても興味津々なわけで。←そういうトコになぜ泊まろうとする!?
朝食の買出しをしておくことを忘れていて食べるものがロクにないので、同宿の人たちに別れを告げて早々に出発します。
前日にCardrona Vally Roadを下ってきて知ったのは、Wanakaは坂の町であること。きっといい眺めの場所があるに違いないと思って、街の中を少し走らせてみます。が、それほど急傾斜ではないので、こんな写真の風景がほとんど。天気がもう少しよければ、Lake Wanakaと空の水色がいっそう映えるのでしょうが。
WanakaはSH84の終点。何か萌えるものはないかと探してみましたが、残念ながらこれと言ってありません。仕方なく、そのままSH84を東に向かって走ります。ほんの1kmちょいで南側に見えるのが、この傾いた建物。ほう。これがPuzzling Worldなのね。ま、だいたい展示物の想像はつくので、記念写真だけ撮って先に進みます。こういうテーマパークはアメリカと日本が圧倒的に面白いので、何かネタでもない限り行くことはないでしょうなぁ。第一、ニュージーランドには「自然」という素晴らしいものがあるじゃないか。それを楽しみに来たんだもんね。
SH84は2kmで終わり、SH6に合流します。
Lake Haweaの街で何か朝ごはんを、と思っていたのですが、マトモな店がない。つか、時間帯が早すぎて?開いてない。仕方なく、そのまま先に進みます。
途中、写真のようなNew Seal(新しい舗装)の道に出会い、ガタガタになりながら。ニュージーランドの道路の舗装って、下地の砂利を撒いた後にタールを流し込んで、その上から細かい砂利をばら撒くだけなんですね。その砂利をキレイに埋め込むのは、走行する一般車の役目。だから、新しい舗装はグラベルロード状態なんです。ブレーキをかけるとドリフトするので怖いっす。そのため、前もって "NEW SEAL – NEXT 3km" なんて標識が出ています。
だんだん空腹が極限状態に近づいてきます。非常食としてパニアケースに入れておいたミロバーを取り敢えず腹に入れて空腹をしのぎます。んー、こういう風景を見ながらってのは、何を食べてもシヤワセですねぃ。
右手にLake Haweaを見て走った後、すぐに左手にLake Wanakaを見て走るようになります。だんだんサザンアルプスに入っていくのがわかります。そのLake Wanakaが見えなくなった頃に現れた街、Makarora。Mt Cook見物のセスナが道路と並行した滑走路から離着陸します。着陸するときなんて、まるで道路に降りてくるのかと思えるほどに滑走路と道路が隣接しています。
そんな滑走路の前にある観光案内所(というより、遊覧飛行の受付所?)にはカフェとガソリンスタンドが併設されていて、朝食はもう少しガマンすりゃよかったと少し後悔します。ともかく、ここでトイレ休憩。トイレに向かうと・・・イキナリ写真のような自動販売機が。遊覧飛行で意気投合したオニィさんとオネェさんがコレを手にしてどこかでイチャイチャすることを想定しているんでしょうか?
Mt Aspiringの森を抜けるワインディングロードを駆け抜けると、そこは西海岸で最も南にある街らしい町、Haastです。ここで早めの昼ごはんを、と思っていたのですが街がどこにあるかわからず、気がついたら橋を渡っていました。走っていてわかったのですが、タマに幹線道路に面していない町があるみたいです。
ま、先に進めばどこかでありつけるでしょ、オーストラリアだと生死を分ける判断になるかも知れないけれど、ニュージーランドは所詮島国、と楽観的に考えます。
とは言いつつも、走っていると寒い。空腹感が募ってきます。服装はフリース2枚+ゴアウィンドストッパーのジャケット+インナーつきライディングジャケット。日本の冬場のツーリングと全く同じ格好です。結局、NZ2のほとんどはこの写真のようにマスクをして走る羽目になりました。この格好でカフェやガソリンスタンドに入って店員と話をすると、みんなドキッとした表情をくれます。ギャングみたいで怪しいから?と思っていたのですが、ある街の店員が話してくれました。「身体の具合が悪いのか?」特に白いマスクをするのは重症患者か医療関係者だそうで、そういう目で見られていたんですね。
で、逆に停まると天気がいい日は暑くて。だから食べ物はなくても水は不可欠です。ワタシもツーリング中は常に1リットル以上の水を常備するよう心がけておきました。日本のように少し走ればコンビニがあるわけではありません。ガソリンスタンドを見つけたら、給油しなくても水だけは買っておきます。ただ、この水が高いんです。0.8リットルのボトルで300円前後。88円で麦茶を買えるセイコーマートは日本の誇りです(笑)
どこかでみたことあるな、と感じる風景によく出会います。
じーこさん曰く「昭和の香りのする日本。」
で、この景色ではこのときを思い出しました。
こういう景色を見るとつい停まってしまいます。だから前に進まないんですねw
Fox Glacierの街に入る前に見つけた交通安全啓発の掲示。これを見て、ようやく気づきました。制限速度は100kmで走れって指示じゃないんだよね。アタリマエっちゃアタリマエのことなんですが、前にも後ろにも車がなかったり、逆に煽られたりするとついつい忘れてしまいます。
Fox Glacierでは、氷河のすぐそばに行けると聞いていたので、少し立ち寄ってみます。ダートな駐車場に停め、往復1時間の凸凹な道のりを歩きます。途中、写真のような岩の川を渡るところもあります。
やがて見えてくる氷河。あれが氷河の終端か。初めて見る氷河は少し意外な印象です。こんなに黒っぽいのね。岩を削りながらせり出してくるので、当然なことでしょうが。
こんな自然な川を3本ほど越えてさらに前に進みます。
この写真に写っているのはクライストチャーチから来た赤ちゃん連れの若い夫婦。赤ちゃんを抱いたダンナが言います。
夫「んーー、こういうときはやっぱりレディファーストだよな」
妻「何言ってんの?こういうときはベビーファーストなんだからっ」
夫「なんだよ、そのベビーファーストって」
妻「それが我が家のルールでしょっ」
よかった。どこの国でも(少なくともニュージーランドでは)レディファーストの概念ってこの程度なんだよね。
さすがにこういう景色を目の当たりにしたのは初めてです。迫力あります、の一言に尽きます。
中央のくぼみが氷河の終端で、ここから川が始まります。数十分の間隔でこのくぼみ周辺の氷河が崩れ落ちます。その音は豪快なんだけれど、ムービーに撮れなかったのが残念。
Fox Glacierを出発するも、どうにも空腹をガマンできず(我慢するようなことか?)、夕食の材料も買わないといけないので、次の街Franz Josef Glacierであらためて小休止です。路肩の駐車スペースは60分以内ならOK。まずはカフェでパイを食べます。NZ$4.50(約400円)と高めですがサーモンチーズパイってのに惹かれて、それとショートブラックってコーヒーを注文します。パイって名前でミートパイみたいな味を想像したのですが、これはピザパイ系でした。チーズの量がハンパなく多い!
ニュージーランドのコーヒーは、ショートブラック(いわゆるエスプレッソ)、ロングブラック(これが普通のコーヒー)、フラットホワイト(カフェオレ)って呼ぶそうです。ワタシは「長いブラック」じゃなくて「間違ったブラック」って言ってしまいそうで、「ワンカッフィー。あー、ロングブラックね。」なんて注文をしてました。
この後、Four Square Supermarketっていうチェーン店なスーパーに寄って買い物をします。ビールはアワアワになるのがヤなので、宿の近所で買うつもり。
あと数kmでWhataroaという街に入るというところ、Waitamgitaona Riverを渡ったところでこれから向かう方向を見ると、明らかに雨。通り雨っぽいので、ここでしばらく様子を見ます。
数分で雨の様子はなくなり、Whataroaで給油します。
Whataroaの街が終わる寸前の場所でパトカー発見。76 Lubricantsみたいなカラーリングのニュージーランドのパトカーなんですが、こういうSUVぽいパトカーもあるのね。ただ、こんな田舎町にも出没してるところを見ると、やはりスピードには注意しておかねばなりません。10km/hオーバーでも摘発されるらしいですから。
と思ってほんの数km走ったところで・・・後方から急速に接近する白い車を認識。屋根に何かを積んでるっぽいので、自分のスピードをあらためて確認します。100km/hをほんの少し越えていたのでアクセルを少し戻し、前方5割後方3割側方2割(や、景色がいいもので、ついw)の比率で注意して走ります。すると・・・
屋根の積載物がイキナリ赤青交互点滅、そしてヘッドライトが左右交互にハイフラッシング!
m9(^Д^)プギャー キタ━(゚∀゚)━!
なんでやのん?なんでやのん?減速前の状態で摘発されるのん?それとも、何か事件発生でどっかに急行するのん?とドキドキしながら、一応ハザードを点灯させて路肩に停めることにします。その直後!ミラーの視界内でそのパトカーは白煙をあげつつスピンターンして反対方向に行っちゃいました。対向車線のトラックを追いかけて。
たぶん、そのトラックは100km/hを超えていたのでしょう。対向車線の車速検知をするってこういうことなのね。つか、交通量が少ないからできる技ではあるわな・・・
今回の旅のお楽しみのひとつ、野湯遊びです。事前に調べておいたAmethyst Hot Springsに行くつもりです。Wanganui River東詰にある枝道を入って約2km進んだ右手の川原、というのが事前の情報です。
枝道に入って、崩壊寸前のコンクリート製の橋を過ぎ、距離的に言ってこの石のバリケードあたりのはず・・・
踏み分けられた草の中を歩いて川原に出るのですが・・・野湯らしきものは見当たりません。上流方向から下流方向にそれぞれ7~8分歩いて探してみるのですが見当たりません。水溜りに手を入れてみても冷たいだけ。ここのところ雨が続いたから増水してるのでしょうか。残念。
野湯は季節もの。想定の範囲内なので本日の宿へ向かいます。が、そもそも宿がどこにあるのか詳細な情報がありません。State Highway 6沿いにあるってことぐらい。そんなエェ加減な~と思いながら、注意して走っていると、発見。確かに、State Highway 6沿いとしか表現できそうにない場所です。とりあえず、オーナーらしき人物に声をかけ、予約しておいたことを告げてチェックインします。
Churchの中でビールを飲んでもよいか?と聞いたら「3回回ってワン!と言え」って日本語で言いやがる。ドユコト?挫けず、近所でビールを買えるところはあるか?と聞いてみたら、「ここから16kmほどのところにあるRossって街で買えるよ。10分ほどかかるけど、Hokitikaに行くよりマシだろ。今ならまだ店は開いてる。」って・・・
16kmって言ったら、ワタシん家から日本橋までの距離です。それを10分で行け、と?
ハイ、確かに10分で着きました。
ガソリンスタンド兼ホテル兼スーパー。ホテルの前にガソリンタンクが埋め込まれているなんて、すばらしい環境と言っていいのでしょうか?ともかく、ここでビールを3缶頂戴!って言うと、店主のおっさんは「そんな中途半端な数では売れん。半ダース単位だ。お前、男だろ?」と言いたいことを言ってくれます。「ペトロ入れるからさ、3缶だけ売ってよ!」ってお願いしてもダメ。売れない理由をあーだこーだと解説してくれます。面倒になって、結局半ダース買ってしまいました。
これが今晩のお宿、 "The Old Church" です。
建物の割には看板がイケてないけど、そんなのはどうでもイイことです。
Rossの街にあった教会をそのままトレーラーに乗せてここまで持ってきたそうです。その移設の写真を見せてもらいました。
若い夫婦が経営するこの宿、ふたりとも留守にすることが多いので?泊まりたい人は空いてるベッド欄に名前を書け、とのこと。ワタシは予約しておいたので既に書いてあります。
靴は脱いでください、と書いてあります。オーナーさんから日本語で言われました。「ウチ、和式じゃけんの。」
どこで日本語を覚えたのか?とにかく怪しさ満点の宿です。
賢そうな犬もいます。
ミネストローネ風のスープを簡単に作って、庭で食べることにします。
あぁ、この至福のとき。
6本買ったビールの1本目w
暖炉で暖まりながら他の客やオーナーさんに、近くで面白そうな道がないか尋ねてみます。海岸沿いのBoldhead Roadはどう?と聞いてみると、グラベルだけど硬く締まっていて走りやすいとのこと。オーナーさんが日本語で補足してくれます。髪をかき上げながら「っていうかー、それってチョーらくしょーじゃーん!」
テメー、どこで日本語覚えた!?
この日の走行距離 : 444km
この日の給油量 : 12.68L
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