椚橋(群馬県南牧村)

2024年11月17日訪問 [Google Maps]    [地理院地図]
利根川水系鏑川の支流・南牧川のさらに支流である椚沢川に架かる村道橋。
1931(昭和6)年11月完成、1990(平成2)年1月改修拡幅、橋長17.8m幅員6.1mの単径間石造+RC複合アーチ橋。
第一印象は「輪石が薄すぎ、壁石が整然すぎ、アーチが歪んでる」

内拱面をよくよく見ると、輪石の両側をコンクリートで継いでいる。輪石は昭和6年施工部分でコンクリートアーチは平成2年施工部分だろうか。ということは、整然とした壁石は擬岩加工したコンクリートか。輪石の再現に失敗したのかな?

と想像しつつネット検索してみると。
南牧村の文久元年創業・青木石材店のウェブサイトに同社の歴史と椚橋の関係が書かれていた。昭和6年椚橋架設は同社の施工によるもの、地元産の椚石を使用とのことで、当時の写真もある。なんと、歪なアーチも薄い輪石も高欄さえも架橋当時を忠実に再現したものだ。野面積みの壁石はさすがに再現できなかったと見える。

椚石は凝灰岩の一種で、比較的加工しやすく耐久性にも優れているのが特徴だそうだ。

現在は橋上で自動車同士が離合できる幅員だが、拡幅前の幅員は青木石材店の写真から推測するに3.5m程度か。この奥に椚石の石切場があるとは知らず惜しいことをした。

椚橋東詰にある昭和6年改築記念碑。総工費580円のうち村費で賄われたのは360円、残り220円は寄付金とのこと。

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