2024年11月9日訪問 [Google Maps] [地理院地図]
日本橋川に架かる人道橋。
1877(明治10)年6月完成、橋長31.51m幅員11.51m径間長13.39m拱矢4.42mの2径間石造アーチ橋。都内現存最古の石橋である。
大規模修復が20世紀(1934年)と21世紀(2012年12月~2020年9月)に行われた。
橋の歴史はWikipediaを、21世紀の修復工事は参考資料1を参照。
橋の向こうに日本銀行。手前の石垣は明治初期に解体された常盤橋門跡。
現代の東京在住者の圧倒的多数が見慣れたこの風景だが、首都高速都心環状線は地下化される運命にある。
「川の上に高速道路」は20世紀に描いた未来の風景、「頭上が開けた親水空間のある日本橋川」は21世紀に描く「映える」風景、だろうか。
車道の橋面が斜めの石張りかよー!と思ったら、なんと架橋時の姿がこれだそうだ。明治10年、何でもアリの時代だったんだなあ、としみじみ。
この橋詰広場は架橋当初からこの形で存在したのか、それとも後年(関東大震災復興以後)に新設または改修されたものか。関係論文を読み漁ってみたけれどよくわからず。消火用水の揚水が主目的の場所だったのはほぼ確定だが。
高欄の石材は瀬戸内産の花崗岩とのこと、傷んだ部分を新しい材に置き換える補修が施されている。
親柱と斗束は結晶質石灰岩(=大理石)のようだ。架橋当時は存在感のあった徳川慶喜公を意識して茨城県(久慈)産の寒水石かも知れない。
2020年土木学会選奨土木遺産
- 参考資料
- 日建連表彰土木賞 常磐橋修復事業【特別賞】
- 文明開化の石橋を先端材料で補強(日経クロステック/2018年3月26日号)
- 国指定史跡常磐橋門跡保存活用計画(千代田区)
- 常磐橋(東京都千代田区)(NHKアーカイブス/2008年)