2020年9月24日訪問 [Google Maps] [地理院地図]
岡山県吉備中央町、山間の田んぼの中にある2径間石造桁橋。橋長3.6m。
ツーリング中に道に迷って適当に走っていたら田んぼの中に標柱があったので、吸い寄せられるように行ってみたら石橋だった。
10枚の石柱を5列2行に並べただけの、限りなく溝蓋に近い橋。
だが、吉備中央町の文化財に指定されている。傍らの標柱はそれを示していた。
また、親柱か石碑かわからない石柱に「嘉永四辛亥八月吉日」と刻まれていることが読み取れる。つまり1851(嘉永4)年に架設されたということか。
よくよく見ると、両岸は石材の上に主桁が乗っていて刎橋だと知る。
意外な場所で、結構ガチめのお宝に遭遇してびっくりだ。
・・・と、公開するタイミングを逸してこのままHDDの肥やしになりそうだったが、吉備中央町広報誌の2021年12月号に藤田石橋の解説を発見。
藤田地区の東西を結ぶ交通路として、昭和期以降も長らく吉川小学校に通う児童たちの通学路にもなっていましたが、昭和59年から平成3年にかけて実施された区画整理事業によって、石橋の両側の道路は無くなり、現在は東西の田の畦を結ぶのみとなっています。
田んぼの中に石橋があるには理由があった。というか、区画整理で他の場所に移設保存するのではなく、原位置に残す関係者の判断が素晴らしい。