2024年7月28日訪問 [Google Maps] [地理院地図]
下第二大場川に架かる人道橋。
2002(平成14)年3月完成、橋長14mの単径間下路式木造橋。
切妻が橋の横方向を向いているのは屋根付橋としては特殊な事例だ。ただ、それが故に屋根付橋の本来の役割「木桁を保護する」が中途半端になってしまっている。
構造としてはアーチ橋そのまんまであるが、アーチリブが弧を描いていないのでアーチ橋と呼ぶわけにはいかない気がする。かと言って方杖桁橋ではないし、トラス橋でもない。
拙い経験から言えば帯江橋に近い構造だと考えた。ただし帯江橋は主桁があるのに対して、こちらは主桁とは言い難い行桁しかない。
屋根付きか否かは別として、国内外にこのような構造形式の橋はあるだろうか?
メインユーザーは市立吹上小学校の関係者である。
夜間の渡橋は想定しなくてよいはずだが、街灯が付いている。訪問時、夜は明けていたけど点いていた。
平板スレート葺きの切妻屋根。軽量化の策だろう。
なんと横桁だけでなく下横構も木材か。こだわりがすごい。
行桁がこんなに細いし途中で無造作に継いでいるので桁橋ではない。やはり、アーチ橋だ。
吊材(に相当する垂直材)の太さがどれも同じなのでキングポストトラスではないと思う。
スプリンギング部の腐朽が著しい。北向き・西向きのスプリンギングなので湿潤の時間が他の箇所より長かったのだろう。ここまで屋根で覆う構造だったら屋根付橋にした意味があったのだけれど。
橋歴板を見つけるのに一苦労。というか、まさかあるとは思わなかった。
エッキは別名ボンゴシ。木橋によく使われるアフリカ産の材である。
イペは南米熱帯地域の材。リグナムバイタの代替になり得る、固くて耐久性が高い材とのこと。
教訓「いつまでも あると思うな 橋の屋根」