2024年9月2日訪問 [Google Maps] [地理院地図]
雄物川水系役内川に架かっていた国道108号の橋。
1934(昭和9)年完成、全長119.7mのn径間RC桁橋+4径間RCフィーレンデール橋。(桁橋の径間数は資料がなく不明)
橋上では離合困難だった旧川井橋では交通量の増加に耐えられず、1967(昭和42)年、旧川井橋の上流側10mに川井橋が並行して架けられ、上下線として分離運用された。
旧川井橋は老朽化著しく、新川井橋供用開始後の1992(平成4)年2月に撤去解体、1径間の上部工が新川井橋西詰に保存展示されている。旧川井橋の橋台は架橋地点に残っている。
それにしてもなんと無骨な橋だろうか。橋の外側に大きく張り出している座屈防止の垂直材が目を惹く。
主桁と高欄が一体化していることも奇異だ。地元では「牢獄橋」と呼ぶ人もいたとか。(出典:目で見る秋田の今昔/1973年)
フィーレンデール橋自体、日本では珍しい。現存する道路橋としては豊海橋(東京都中央区)、目黒橋(富山県黒部市)、保津峡橋(京都府京都市)等があるが、いずれも鋼製フィーレンデール橋だ。1936年架設の田之上橋(岐阜県)がRCフィーレンデール橋だったという記録が土木学会橋梁史年表(いわゆる藤井資料)にあるが詳細はわからない。供用実績があるRCフィーレンデール橋の実物を見学できる貴重な遺産である。
確かにこの幅員では離合できない。主桁の高さがさらに運転者を心理的に圧迫する。