一般的に駅前ロータリーは円形交差点ではないのだが、地図を眺めていると、JR中央西線土岐市駅北口は円形交差点の要素が多分にありそうだと感じて現地を訪問してみた。
ロータリーを歩行者が横断できるようになっておらずタクシー待機場もないが、駅前なのでバス停があり、送迎の自家用車が短時間ではあるが滞留する。また、接続する道路5本のうち4本は環道合流の際に一時停止の必要はない。
結局、ラウンドアバウト化が可能な円形交差点とは言えず、しかし単なる駅前ロータリーでもない。
1970年代後半(1976年~1979年)に土岐市駅北口が整備された際に現在の形状になった模様。その中央島にあたる部分には金属のモニュメントが置かれている。小田 襄 氏の「円環-永遠のとき」という作品であった。
氏のことは今回この地を訪問して初めて知ったのだが、その作品史を眺めると1970年台に「方形と円形を要素」とする構成を確立しているようだ。中央島のモニュメントもその構成であり、北口ロータリー完工とほぼ同時期に展示された作品と考えていいだろう。残念なことに、土岐市ウェブサイトには市内の芸術作品に関する記述が一切ない。市民の財産なのに、もったいない話だ。