流谷林道ループ

数少ない林道ループ。
それも大阪市内から1時間ほどで到達できる府下に、だ。

事前調査で舗装林道であることは承知していたが、訪問前夜から当日未明にかけて結構な雨だったので、通行できるか多少の不安を感じながらの訪問となった。奈良県御所市から水越峠を越えて大阪府唯一の村・千早赤阪村に入り、林道とも村道ともつかぬ道をつないで現地に向かう。

国道371号から分岐して流谷線に入ってからもしばらくは比較的平坦な舗装路が続くが、ループの前後500mが深い林であり、路面には枝葉が散乱する立派な林道である。道路の最頂部を越え、下りにさしかかってすぐに左へゆるくカーブすると、コンクリート製の洞門が見えてくる。法面が相当緩く、何度か崩落したことがあるのだろうか。この洞門は路面状況に比して新しい印象を受ける。

洞門をくぐると、ループを構成するトンネルが見えてくる。
あいにく、上方を通過する道路は見えない。また、銘板や扁額はなく、トンネル名称は不明。数十m西側の沢に架かる橋には「タケノ谷橋」と表示されているのに残念だ。
なお、林道流谷線は1975(昭和50)年10月に開通している。

路線林道流谷線
所在地大阪府河内長野市加賀田
回転度260度
完成時期1975(昭和50)年10月開通
実走行日2010-04-29
全景写真

ループ途中にある洞門。路面やループトンネルの状況に比べて新しさが目立つ。

トンネル北東側ポータル。
写真を撮ったのは夕暮れと言うにはまだ少し早い17時頃なのだが、薄暗くて苔むしている。

トンネル南西側ポータル。
オレンジ色の矢印が通ってきた道。金網のおかげで道があるように見える。

ループトンネルの数十m西側の沢に架かるタケノ谷橋。

1975(昭和50)年3月2日 国土地理院撮影の空中写真。林道開通のおよそ半年前で、路面は未舗装のように見えるが、開通までに舗装されたかは不明。
空架線は御坊発電所-紀の川変電所-金剛開閉所を結ぶ関西電力金剛線。