1980年代に一度だけ走ったことがある国道169号。
当時は正真正銘の酷道であった。断崖絶壁を縫うように細い道路が延々と続き、対向車線からバスは来るわダンプは来るわ、離合できない(本当に離合できない場所は信号制御の片側交互通行だった)わ、で、生きて帰れないんじゃないかと思った。
当時のそんな悪夢のような体験があったので、伯母谷道路という改良事業が完了したとの報を聞いてもなかなか足が向かなかった、というのが本音かも知れない。
伯母谷道路の建設工事は長期間にわたったため、2段階で供用された。
1998年から北側区間(伯母谷大橋~滝の脇橋)が暫定供用、滝の脇橋のすぐ横に仮橋が設けられ、伯母谷ループ橋の南端橋脚付近で旧道に接続していた。
2003年1月17日に開通式が催行され、全線開通した。
伯母谷道路のトンネルと橋梁
伯母谷道路改良事業で整備されたトンネル・橋梁は下表のとおり。背景を赤い橋・トンネルがループを構成する。つまり、伯母谷ループ橋(4径間連続PCラーメン箱桁橋)は単体ではループしていないのだ。
| 橋名 | 計画時の仮称 | 完成年 | 長さ |
|---|---|---|---|
| (旧道分岐) | |||
| 伯母谷大橋 | 伯母谷4号橋 | 1990(平成02)年 | 118m |
| (旧道分岐) | |||
| 伯母谷トンネル | 1992(平成04)年 | 445m | |
| 栗の木トンネル | 1995(平成07)年 | 1297m | |
| 滝の脇橋 | 伯母谷3号橋 | 1996(平成08)年 | 45m |
| (旧道接続仮橋への分岐) | |||
| 滝の脇トンネル | 1999(平成11)年 | 207m | |
| 伯母谷ループ橋 | 伯母谷2号橋 | 2002(平成14)年 | 312m |
| 一ヶ山トンネル | 2001(平成13)年 | 440m | |
| 大獄橋 | 伯母谷1号橋 | 2001(平成13)年 | 15m |
| 大嶽トンネル | 2001(平成13)年 | 1030m | |
| (旧道分岐) | |||
| 伯母峯大橋 | 1996(平成08)年 | 106m | |
| (旧道分岐) | |||
のの字情報の整理
| 路線 | 国道169号 |
|---|---|
| 所在地 | 奈良県吉野郡川上村大字伯母谷 |
| 回転度 | 330度 |
| 完成時期 | 2003(平成15)年01月 |
| 実走行日 | 2010年03月22日 |
2010年3月22日初訪時の記録
伯母峯大橋と大嶽トンネル南側坑口を眺める。旧道のこのあたりに片側交互通行制御の信号があったが、当然その痕跡は残っていない。
旧道から栗の木トンネル方向へ分岐していた地点から伯母谷ループ橋を眺める。ぼんやりとヘコヘコ歩いていたら、この道路は途中でバッサリとなくなって(橋桁が撤去されて)いた。
踏み外したら大怪我では済まないような高さだ。(見下ろす構図の写真は自粛)
伯母谷ループ橋。橋脚の高さは最大64mとのこと。
伯母谷集落内の旧道に存在するおにぎり。旧道の一部は今も国道指定されているのだろうか。それとも撤去を忘れたのか。
2024年5月5日再訪時の記録
ループを構成するトンネル、栗の木トンネルの南側坑口。
ループを構成するトンネル、滝の脇トンネルの東側坑口。
伯母谷ループ橋を南側(滝の脇トンネル出口付近)から眺める。この高さはやはり怖いッ
伯母谷ループ橋の橋名板。橋歴板を探す気にならない。
と、ここで発覚。「おばたに」ではなく「おばだに」が正解なのか。いや、伯母谷大橋(伯母谷道路北端の橋)は「おばたにおおはし」だったぞ?もしかすると、集落名としては「おばたに」だが谷(地形)の名称は「おばだに」が正解なのかも知れない。でも伯母谷川は「おばたにがわ」だよ?
ループを構成するトンネル、一ヶ山トンネルの東側坑口。
大嶽トンネルから旧道で引き返す。御休憩処たちばなの看板健在を確認。「あと2kmか」って安堵したのかな?
仮橋接続地点はいまも奈落の底の口が開いていた。
伯母谷ループ橋空撮。こうして見ると、伯母谷道路改良事業はすごい工事だけれど、旧道の開鑿もすごい工事だった。
旧道の国道標識の存在を確認。つまり、旧道の一部は今も国道なのだ。
「御休憩処たちばな まで2km」の看板に偽りあり。測ったら3.3kmだったよ。でもね、長らく営業していないみたい。

