ループ橋

高見大橋

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奈良県との県境に程近い、高見峠下にある橋。「のの字」としては交差角度が浅く、中途半端な印象は拭えない。松阪から高見峠方面へ上っていくと、この「のの字」で高度を一気に上げた先には晴れていれば峰の上に青空だけが見える絶景のスカイラインとなる。

高見峠道路の歴史

江戸時代に和歌山城と松阪城を結ぶ和歌山街道が整備され、それが現在の国道166号三重県区間の元になった。1880(明治13)年の道路規則により仮定県道に、1870(明治23)年には松阪~波瀬太良木が県道になったものの、参宮鉄道や関西鉄道の開通により急速に寂れた。

その後も幾度か和歌山街道改修・高見峠開鑿が陳情されたが長らく実現せず、1934(昭和9)年の三重県と奈良県による高見峠開発調査を経て1948(昭和23)年度から4年計画で高見峠改良事業が着工となった。自然災害の影響で遅延したものの1953(昭和28)年6月に工事完了、国道166号に認定された。同年7月4日には沿道町村長らがバス2台で高見峠へ視察したという。

しかし、中央構造線と絡むように通る道路は脆く、高見峠隧道開削事業・国道改修運動が強く展開され、1966(昭和41)年度から飯高町桑原(新八雲橋)~東吉野村杉谷(新不動橋)の区間が国直轄工事「高見国道」として事業化された。斯くして1984(昭和59)年3月26日の高見トンネル開通式、1996(平成8)年1月高見国道開通を経て、2004(平成16)年3月に改良事業が終了した。

高見国道を構成する橋梁・トンネル等(飯高町木梶~高見トンネルの区間のみ)

橋梁名 かな 橋長 完成年月 特記事項
池の谷橋 いけのたにはし 162m 1992/02
小谷橋 こだにはし 57m 1993/02
瑞雲橋 ずいうんはし 147m 1989/02 桟道橋
茅野橋 かやのはし 40m 1987/08
高見大橋 たかみおおはし 180m 1989/11
美山橋 みやまはし 58m 1989/10
美滝橋 みたきはし 33m 1988/10
木梶大橋 きかじおおはし 137m 1991/11
中野大橋 なかのおおはし 120m 1986/03
大畑橋 おばたけはし 98m 1985/03
無名橋50 むめいはし50 5.8m 1983/03 カルバート
高見トンネル たかみとんねる 2470m 1983/03

池の谷橋から大畑橋までの橋梁はすべて尾畑谷川に架かる。複数の沢をまとめて尾畑谷川と呼んでいるようだ。

高見国道の橋名板

橋名板に記された「波瀬小学校(飯高西中学校) ××××」※の名前の人による揮毫ということだろう。自身の名が後世に残るのだから、なんぞの書道コンクールの金賞よりはるかに一世一代の入選と言えよう。国道166号の三重県側改良区間の3kmには新規の橋梁が多く架けられているが、果たして当時の地域小中学生の何%がその素晴らしい役割を担ったのだろうか。
※波瀬小学校は2008年3月をもって休校、飯高西中学校は2016年3月をもって閉校となった。

のの字情報整理

路線 国道166号
所在地 三重県松阪市飯高町木梶
回転度 210度
完成時期 1989(平成元)年11月
実走行日 2004年08月21日

現場写真

特記していない写真は2023年10月7日撮影。

高見ループ

国道166号を高見峠に向かって走り、波瀬の街並みを抜けるとこんな景色になり、気分が昂揚する。

(2004年8月21日撮影)池の谷橋から見上げる位置に象徴的なカーブを描く橋が見える。これは木梶大橋で、ループしているわけではない。

瑞雲橋を渡った先で赤い橋が頭上を跨ぐ。これが高見大橋だ。

のの字を構成する茅野橋。

茅野橋からパノラマでループを見る。が、これじゃループしているように見えないね。

茅野橋の橋名板

(2004年8月21日撮影)茅野橋で上を見上げると、こんな案内が。残念ながらループしていない。

(2004年8月21日撮影)高見ループ全景。と言ってもこれもループしている様子はよくわからない。写真の左端にある橋が高見大橋だ。

高見峠側から高見大橋を眺める。

高見大橋の橋名板

高見ループ空撮

より高い位置から鳥瞰する。大型車を先頭に車列ができるのは山道あるある。

高見トンネル開通記念碑

高見トンネルの松阪側坑口付近にある高見トンネル開通記念碑。

記念碑の脇に設置された高見国道完成予想図。これが作られたのは1984(昭和59)年頃だろう。40年近く経過していることになる。

高見峠

旧道で高見峠へ行くことができる。

ただし松阪側の旧道は令和5年台風7号の被害により崩落していて、自動車での通行は不可能。二輪車なら通れなくはないが、通行禁止措置が取られている。

    参考資料

  1. 飯高町郷土誌(1986年7月)
  2. 三重県史 通史編 近現代2(2019年3月)
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