富山県西部の礪波平野(砺波平野)は、庄川と小矢部川に挟まれた扇状地である。土壌がよく、水さえあれば収量が期待できたのだろう。1926(大正15)年の干魃を機にため池を作る動きが本格化、1932(昭和7)年9月に富山県営赤祖父郷用水補給事業ため池築造工事が起工され、1945(昭和20)年に赤祖父ため池が完成したとのこと。
赤祖父は「あかそぶ」と読む。「あかじい」ではない。と自分に言い聞かせる。
安定した用水を手に入れたら人手による分水が難しくなったのか、赤祖父ため池の約300m南の場所に1949(昭和24)年に円筒分水が設けられ(※)、公平な用水配分が行われるようになり長年の水争いは解消されたそうだ。
※一説によれば昭和28年とも。
赤祖父ため池の水位が安定しているからだろうか、二重円筒構造である。また、訪問時は分水の必要がない時期だからなのか、仕切板はなかった(もしくは水に潜っていて見えなかった)。
すぐ横には昭和48年に完成した南砺用水も通っていて、用水ダンジョンである。
管理者 | 庄川上流用水土地改良区 |
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所在地 | 富山県南砺市川上中 |
訪問日 | 2015-10-03 |
全景写真 | |
穏やかに溢流する。写真の奥方向が「一の用水」だ。 上の写真の反対側から撮影。右上にあるゲートの先が「二の用水」と「大川筋用水」である。 富山県内でよく目にする用水警告標識「用水だ!」 流れが早く水量が多いので、落水したら一大事だわな。 この標識の奥に赤祖父円筒分水槽がわずかに見えている。 |