1970年前後の高度経済成長期、雨後の筍のように日本全国に別荘地が造成された。非日常をアピールするためか、別荘地の中心にシンボルとして円形交差点が設置されることがあった。ここ磐梯山の周辺でも多数の別荘地開発が行われており、6ヶ所の別荘地に円形交差点が現存しているので、まとめてレポートする。
目次
五色沼くるみの森
いわゆる裏磐梯、秋元湖と小野川湖の間に作られた別荘地。1970(昭和46)年頃に造成され、当初から円形交差点が設けられている。接続路は4枝。環道は一方通行の案内がないが、大型車でなければ対向可能な幅員がある。中央島には松の木(アカマツ)が植えられ、シンボル的な庭石が置かれている。
しゃくなげ平第一別荘地
磐梯山東麓に1974(昭和49)年頃に造成されたと見られ、当初から円形交差点が設けられている。接続路は7枝。環道は一方通行ではない。中央島は6ヶ所の中で最もよく手入れされている。
しゃくなげ平第二別荘地
1970年代前半に別荘地造成、円形交差点が設けられた。接続路は4枝。2000年頃に中央島を貫通する道路が設けられ、円形交差点でなくなった。
しゃくなげ平第三別荘地
磐梯山南麓に1960年代後半に造成されたと見られる。接続路は4枝。しゃくなげ平第一別荘地より早い時期の造成なのになんでこっちが第三なのか、気になる物件。中央島には池か防火水槽か不明の水溜りがある。中央島北側は道路との段差がほとんどなく、池にダイブするおそれがないわけではないが、街灯が整備されているので心配無用か。
五輪原スワニーヴィラ
磐梯山南麓に1980年頃に造成されたと見られる。接続路は4枝。別荘地入口の看板には「SINCE 1973」と書かれているが、1976年の空中写真には存在しない。1973年に土地を購入したということだろうか。中央島には別荘地建設より前に設けられた東北電力第一福島線・第二福島線(154kV)48号鉄塔がある。
天鏡台温泉ヴィレッジ
磐梯山南麓に1970年頃に造成された。部外者は絶対に迷い込まないであろう位置に円形交差点が設けられている。接続路は4枝、標識等はないが、おそらく防火水槽の目的であろう水溜りが中央島にある。
磐梯レークランド(磐梯第一レークランドとも)
磐梯山東麓というよりは、川桁山麓というほうが適した山裾に1969(昭和44)年頃に造成された別荘地。川桁山は「うつくしま百名山」のひとつで、別荘地の奥に登山道入口がある。別荘地の中央に円形交差点が設けられている。接続路は地図上では4枝だが、2枝は廃道化していて現実には交差点の役目は終了している。環道は国内円形交差点でも珍しく未舗装。中央島には池と見られる水溜りがある。
カテゴリー | ロータリー |
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路線 | 私道 |
所在地 | 福島県耶麻郡北塩原村大字檜原 福島県耶麻郡猪苗代町字清水 福島県耶麻郡猪苗代町大字蚕養 福島県耶麻郡猪苗代町大字長田字不動 福島県耶麻郡猪苗代町字五輪原 福島県耶麻郡猪苗代町大字長田字東中丸 福島県耶麻郡猪苗代町大字八幡字松林 |
完成時期 | 1970年前後 |
実走行日 | 2018-11-03 |
全景写真 | |
五色沼くるみの森別荘地入口拡大する 中央島を北側から眺める。きれいに手入れされているわけではないが、荒廃している様子はない。 南側接続路から眺める。 南西側接続路から眺める。 北西側接続路から。環道に時計回り一方通行の指定・案内はない。 しゃくなげ平第一別荘地別荘地入口と県道の交差点にて。別荘地入口に建てられた案内看板。 拡大する 南東側接続路から中央島を眺める。環道に時計回り一方通行の指定・案内はないが、ここから進入すると無理をしなければ時計回りになる。 南側接続路からの眺め。 南西側接続路から。 西側接続路から。 北西側から。 北側から。 北東側から。円形交差点の環道にこの傾斜はいかがなものか。 しゃくなげ平第三別荘地別荘地入口看板。不動ビレッジとは、しゃくなげ平第三別荘地の別名なのか、異なるのか不明。拡大する 南側接続路から中央島を眺める。回転方向の指定はない。 西側から眺める。 北側から。中央島と環道の段差がほとんどないので、中央島(=池)に突っ込んでしまわないか、少し心配。 東側から。 中央島の池。標識はないが防火水槽を兼ねているのだろう。結構な深さだ。 五輪原スワニーヴィラ別荘地入口に立つ看板。SINCE 1973と書かれているが、1973年に起こった何を起点にしているかわからない。南側接続路から眺める。道路勾配の関係で交差点に見えないのが心配な点。 西側接続路から眺める。 拡大する 北側接続路から眺める。環道の回転方向に指定はない。 東側から。 中央島に立つ東北電力第一福島線・第二福島線48号鉄塔。 天鏡台温泉ヴィレッジ別荘地に隣接する猪苗代緑の村に、1969(昭和44)年に廃止された沼尻軽便(磐梯急行電鉄)の木造客車が保存展示されている。沼尻軽便(磐梯急行電鉄)はこの近くに敷設されていたわけではない。拡大する 南側接続路から中央島を眺める。 西側から中央島を眺める。 北側から。 東側から。 中央島には防火水槽と見られる池がある。しゃくなげ平第三別荘地と異なり、池の周囲には転落帽子柵が設置されている。 磐梯レークランド(磐梯第一レークランドとも)別荘地入口に立つ看板。拡大する 北側接続路から中央島を眺める。 東側接続路から中央島を眺める。 南側から眺める。接続路および環道は未舗装。 環道の西半分は廃道化しており通行不能。 |