(初回記事公開:2004年8月 記事全面書換:2019年3月)
JR羽犬塚駅南、筑後市の東西を結ぶ福岡県道706号筑後城島線がJRを跨ぐ。その陸橋の両端がループしている。
1960年代中頃から急激に交通量が増した福岡県道24号八女大川線、国鉄鹿児島本線の踏切遮断による渋滞が激しくなり、当時の羽犬塚駅は東口しかなかったため通勤通学に大きな支障が発生し、これを解消するために県道と国鉄の立体交差が計画された。古くからの市街を抜ける道路の立体交差なので、ループ橋こそが土地収用・騒音問題や商権維持等の様々な問題を解決する唯一の策だったのだろう。現地で入手した複数の証言を勘案すると1966(昭和41)年には着工していた模様。完成は1969(昭和44)年。
ループの内側は1974(昭和49)年頃から東側・西側ともに市営駐車場として活用されている。
最初に現地を訪問した際には「のの字」の北側に人道橋があった。筑後陸橋完成(踏切除却)以前に架設された花田跨線橋である。戦前から踏切に並行して人道橋が架けられていたが、昭和39~40年の鹿児島本線電化対応のため架け替えられたものが残っていた。2003年に羽犬塚自由通路が完成し、代替施設として受け容れられたと判断されたのだろう、人道橋は2015年度に撤去された。
この道路が国道に昇格したのは1982(昭和57)年、八女筑後バイパスの開通に伴い2013(平成25)年5月28日に県道に降格している。県道になってもループ橋の存在感はそのままだ。東詰の交差点名は「ループ東」のままだし、近隣には「ループ駐車場」「ループ薬局」「ループサイドパーキング」等々、九州初のループ橋があることが自慢の街だ。
路線 | 国道442号 |
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所在地 | 福岡県筑後市和泉 |
回転度 | 270度+270度 |
完成時期 | 1969(昭和44)年 |
実走行日 | 2004-08-26 |
全景写真 | |
(2004年8月初訪)
(2018年6月再訪) ![]() 筑後陸橋東側ループ全景。14年前と殆ど変わらない風景。 ![]() ![]() |