(2013年5月3日初版記事公開 2021年1月16日記事全面書換)
岡山三大河川のひとつである吉井川、その支流の福本川に架かる橋。橋長181m。
県道341号坪井下栃原線は現在も不通区間はあるが、2000年頃までは取首山東麓の大谷池付近~津山市・現美咲町境界付近の間が不通区間であった。その解消を狙ったのだろうが、山の中の1kmだけ拡幅改良され、しかもその後、拡幅改良の前後区間は改良工事が行われておらず、不通区間も解消していない。つまり、「ヘアピンカーブ」「狭隘」「急勾配(15%)」三重苦の区間だけ解消したかったようだ。
意図的に不通区間を残し、また、県道追加認定区間は国道に接続してはいけなかったのだと想像している。
福本大橋の南側で県道341号坪井下栃原線に接続する林道幻住寺線は、福本大橋の建設工事と前後して1994(平成6年)から2003(平成15)年にかけて開設された。
道路の関係性が分かりづらいので地図に線を引いてみた。
さて、同時期に道路が整備された。これはどういうことか。
答えは岡山県農林水産総合センター畜産研究所だろう。
グリーンヒルズ津山の場所にあった岡山県酪農試験場が、その他の畜産関係組織・施設と統合され、1989(平成元)年4月に美咲町(当時の旭町)の現在地に開設された。移転してみたらアクセスがかなり不便で利用者からクレームが噴出したので、やむなく最小限の対応をしたのだと推定する。同じ理由で県道370号江与味上河内線も不通区間(真庭市と美咲町の境界付近)が整備されたのかも知れないが、県道370号はそれによって不通区間が解消された。
初訪当時(2013年)、県道区間を正しく表記している地図は地理院地図しかなかった。2021年になってようやくほとんどの地図は正しい区間になっている。(Google Mapsだけはいまだに違う)
路線 | 岡山県道341号坪井下栃原線 |
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構造 | T型ラーメン橋 |
所在地 | 岡山県津山市坪井上 |
回転度 | 300度 |
完成時期 | 2001(平成13)年3月 |
実走行日 | 2013-05-03 |
全景写真 | |
(2013年5月3日初訪)
拡大する 北からアプローチして福本大橋をくぐったところにある唐谷橋の上から撮影。写真中央左のガードレール右端あたりから旧道が分岐している。 唐谷橋の橋名板 唐谷橋から天ヶ谷橋を撮影。天ヶ谷橋は唐谷橋と福本大橋の間に位置する。 天ヶ谷橋の橋名板 福本大橋の橋名板。他の2つの橋より1年遅れて竣工している。 拡大する 福本大橋ループ全景。大規模のの字だ。 福本大橋から北側を眺める。旧道沿いに1軒の民家。 福本大橋南詰から眺める。道幅がたっぷり確保された、いかにも近年の県道に見えるが、実はこの橋の前後合わせて1kmだけだ。 福本大橋から南側を眺める。現道の間に旧道が見える。事実上の廃道だ。 この写真の右上部分に、コンクリートで固めた法面の上につながる階段が設けられている。そこに上がればループ全景をキレイに撮影できそうな気がするのだが、ハンドレールや踏み板を包むように蔓が絡んでいて、とても人が通れる状態ではない。永らくメンテナンスされていない証か。 この福本大橋から南側は福本川に沿って1車線の狭隘区間が続く。 (2020年9月23日再訪) 拡大する 空から眺める福本大橋。よくぞループさせる発想ができたものだと感心する。建設コンサルタント事務所、もしくは県庁内で「ここはループさせるしかないよね」と話されたであろうシーンを動画で見てみたい。 |