房総半島西半分のドライブ・ツーリングをするときには高確率で走行する千葉県道81号市原天津小湊線。沿線には養老渓谷や清澄寺といった古来からのメジャーな場所だけでなく、秋の紅葉が見事な不動滝・筒森もみじ谷やチバニアン期の地磁気逆転記録が見られる千葉セクションなどが点在する。その終点近くに工期20年を経て鋼5径間連続ラーメン式箱桁橋「清澄山道ループ橋」が供用開始された。
市原天津小湊線坂本改良事業
波切不動尊の裏手あたりは狭隘かつ急カーブが多く離合困難な区間であるとともに、大雨では通行止めになることも多く、改良が望まれてきた。バスが事実上通行できないため、南房と清澄寺をセットにした観光は大きく迂回せねばならない。これらに危機感を持った千葉県は清澄寺~国道128号天津バイパスの間を坂本工区として事業化、1991(平成3)年から第一工区(二タ間川(ふたまがわ)から南)の改良工事に着手、2001(平成13)年3月27日15時にその供用を開始した。
続いて(並行して?)第二工区である波切不動尊前後の区間に着工、急斜面を克服するためにループ橋を採用することとし、計画上は「坂本二号橋」と名付けられた。第二工区の完成予定は2010年度に設定された。
市原天津小湊線坂本改良 坂本工区の当初計画構造物
| 工期 | 計画時名称 | 正式名称 | 長さ | 完成年度 |
|---|---|---|---|---|
| 第二工区 | 六号橋 | 南沢橋 | 32m | 2002 |
| 五号橋 | 第二長坂橋 | 34m | 2002 | |
| 四号橋 | 第一長坂橋 | 48m | 2001 | |
| トンネル | (廃案) | |||
| 三号橋 | (廃案) | |||
| 二号橋 | 2010 | |||
| 第一工区 | 一号橋 | 坂本大橋 | 80m | 1999 |
市原天津小湊線坂本改良の計画変更

当初は図のとおりトンネルで大きく南下した後、三号橋を経由して坂本二号橋(ループ橋)につながる計画であったが、何らかの事情(※)で取り止め・事業計画見直しにより完成予定は2020年度へ10年間延期、できるだけ現道を活かしてループ橋に接続するよう変更された。「伊豆赤沢に次いで房総にも未成ループ」等と巷言されたが、実は着々と進められていたのである。
ともあれ、日蓮宗総本山である清澄寺は日蓮が出家得度した寺と謂われており、生誕800年である2022年2月には日蓮が生まれた小湊から清澄寺までバスを運行させることが関係者の共通理解であったに違いない。
ここを晴れた日に通行する際には、是非とも北側から下って欲しい。ヘアピンカーブを抜けたらキラキラと輝く太平洋が目の前にドーンと現れる。
のの字情報整理
| 路線 | 県道81号市原天津小湊線 |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県鴨川市天津 |
| 回転度 | 260度 |
| 完成時期 | 2010(平成22)年07月完成/2021(令和03)年09月13日11時供用開始 |
| 実走行日 | 2021年11月06日 |
現調レポート
特記した3枚を除き2021年11月06日撮影
県道81号市原天津小湊線を南下して終点に近付くと、このような三叉路がある。左は旧道、直進が2021年に開通した新道である。
清澄山道ループ橋に至る最後のヘアピンカーブ。海が見えるぞ!
清澄山道ループ橋の下り方向を眺める。警戒標識はのの字を描いていない。残念。
清澄山道ループ橋全景。ループ部の半径は50m。歩道はないのか。ここを歩く酔狂な人はいないか。歩くなら旧道だよな。
清澄山道ループ橋全景空撮。東京電力外房線(66kV送電)まで40m。絶好の構図は空撮でも不可能だった。
清澄山道ループ橋俯瞰。ループさせるしかないよなあ、と実感させる地形だ。ところで、仮設足場は撤去するのかね?保守のために残す構造ではないよな。
鋼桁とコンクリート橋脚が剛結合された複合ラーメン橋。この構造は耐震性に優れるらしい。
交差部下から見上げる。自転車でこれを見ると萎えるだろうな。
(2021年04月11日撮影)天津の浜から眺める、施工中の清澄山道ループ橋。写真右上の白い建物は清澄寺の仏舎利塔だ。
(2008年10月13日撮影)橋脚施工中の清澄山道ループ橋。筆者が初めてここを通行してループ橋建設を予感したのは2002年。ほぼ毎年通っているんだから都度撮っておけばよかったと思っても後の祭り。まさか、こんなに長期工事になるとは夢々思っていなかった。
(2021年04月11日撮影)完成間近の清澄山道ループ橋。
橋名板は盗難対策なのかチープな素材だった。
橋歴板を探して歩き回ったぞ。

