上賀茂神社前ロータリー

京都最古の神社のひとつ、上賀茂神社の参道前交差点に中央島があり、警戒標識「ロータリーあり(201の2)」も設けられている。
1950年代には分離帯のようなものが設けられていたようだが、詳細不明。
1976(昭和51)年~1981(昭和56)年の間に交差点改良工事が行われ、中央島設置とともにロータリー交差点として運用されるようになった。

この交差点は、府道61号京都京北線から府道103号上賀茂山端線に加えて2本の市道が分岐・合流し、さらに上賀茂神社に出入りする道路2本が分岐・合流する7差路である。

京都でも有数の観光地なので常時混乱していると言っていいだろう。訪問したときも、御薗橋を渡って西進しようとする車列がひどいことになっていた。それが故にロータリーを逆走する車が発生することがあるそうだ。


(2022年5月6日再訪・2022年7月31日追記)
1935(昭和10)年8月11日の水害により流された御薗橋(木橋)は1937(昭和12)年12月に架け替えられた。昭和の御薗橋は橋長69.8m・幅員10.6mのゲルバー(カンチレバー)鈑桁橋であった。

その幅員故(車線は完全2車線で右左折専用レーンがなかった)に昭和中期以後恒常的に渋滞が発生するようになり、また、阪神淡路大震災を契機に定められた緊急輸送道路ネットワークの第2次緊急輸送道路となっている経路ながら耐震性能基準を満たしていないことから、2015(平成27)年度から2021(令和3)年度に御薗橋改築事業が施工された。

この架替えに伴って幅員が不足することとなる御薗橋東詰~上賀茂神社前交差点間を拡幅し、加えてロータリー交差点である上賀茂神社前交差点の中央島位置を調整する工事も同時に行われた。

併せて、葵祭の巡行の最後を飾る場所である御薗橋からの眺めを考慮し、上賀茂神社の象徴性を高めるべく大鳥居を新設、社号碑が数メートル移設された。

・・・とまあ、全体ではかなり大規模な事業になったのだが、御薗橋の橋長と御薗橋東詰交差点の構造の関係上、ここを環道優先のラウンドアバウトにせず進入車優先のままにしたのは正解だと思う。ただ、中央島の卒塔婆のような規制標識・警戒標識群がなくなったのはチト寂しいかも知れぬ。

カテゴリーロータリー
路線府道61号京都京北線/府道103号上賀茂山端線
(上賀茂緯122号線,上賀茂経96号線)
所在地京都府京都市北区上賀茂本山
実走行日2017-04-15
全景写真
(2017年4月15日撮影) 上賀茂神社前交差点全景拡大する
上賀茂神社前交差点を北から眺める。御薗橋東詰の信号で詰まって環道から出られないクルマがあり、それが故にロータリー全体の交通流が止まっている。
上賀茂神社に入る車両用道路から眺める。
上賀茂神社から出る車両用道路からの眺め。この交差点が渋滞する元凶の御薗橋東詰交差点の信号が正面に見える。
東側(府道103号)から眺める。歩行者が途切れない横断歩道が渋滞に拍車をかける。
南東側の市道から眺める。この道から府道103号へ右折するのは骨が折れる。
南側の市道から眺める。南行き一方通行であるとともに狭隘なので、この道路へ流出する車は少ない。
西側(御薗橋方面)から眺める。左のたばこ店前に設置されている鉄柵が無言の圧力。
在りし日の上賀茂神社前交差点の卒塔婆

(2022年5月6日撮影) 改修後の上賀茂神社前交差点を北から眺める拡大する
改修後の上賀茂神社前交差点を北から眺める。警戒標識「ロータリーあり(201の2)」は更新されたが、改修前もこの位置に設置されていた。
西側(御薗橋方面)から眺める改修後の上賀茂神社前交差点拡大する
改修後の上賀茂神社前交差点を西側(御薗橋方面)から眺める。道路幅員が倍以上になり、休日に歩行者が入り乱れて混沌とする状況は改善されたらしい。
改修前は警戒標識と規制標識が中央島の照明柱に共架されていたが、照明柱が四隅に分散設置され、中央島に設置位置を低くして警戒標識と規制標識を残した。葵祭の巡行の最後を飾る場所である御薗橋からの眺めを考慮した結果だろう。