観音新町一丁目の円形交差点

広島市の南、天満川と太田川放水路の中州にある古い住宅団地に円形交差点がある。
中央島は公園のようになっていて人が立ち入る想定があるし、環道に相当する道路の回転方向は案内されていないので、ここをロータリー交差点と言うには無理がある。もちろんラウンドアバウトに指定できるはずがない。

過去の空中写真や地形図を見比べると、1950年代前半までは存在せず、1962年の写真で家屋が建て込んだ住宅街とともに円形交差点を確認できる。

どんな経緯でいつ頃作られたのか探ってみたが、情報がまるでない。
訪問したのは休日朝7時半、家の前を掃除しておられた何人かに尋ねてみたものの、明らかに不審者である。有力な回答を引き出せるわけがない。「昭和50年代に引っ越してきたときには既にあった」としか聞き出せていない。そりゃ昭和35年頃のことを自らの記憶や確信ある伝聞として話せる方は若くても80歳ぐらいだろう。

中国新聞デジタルに観音の住宅街に通称「ロータリー」なぜ存在、諸説あって定まらず【ぐるっとわがまち広島市観音エリア㊤】 (2023年1月28日) という記事があったが、答えがないことがわかる親切な見出しである。この記事を読むためには少なくとも3000円かかるが、答えがないことを確認するためにこの金額を払うほど筆者は太っ腹ではない。

交差点情報整理

現調レポート

観音新町一丁目の円形交差点を北側から眺める。

南側から眺める。古いながらも手入れされた小綺麗な公園だ。