幣舞ロータリー

釧路市の主要観光ポイント、幣舞橋(ぬさまいばし)の南詰にある円形交差点。
国道38号の終点、国道44号の起点でもある。
その起終点の具体的な位置はどこか?ロータリーの中央か、日銀前か、出世坂下か、橋の南詰か。それは謎である。

いつ頃この円形交差点が設けられたのか。
1948年まではその痕跡なく、かつて北海道新聞社が「フォト海道(写真データベース)」で公開していた写真 ※1 によれば1952(昭和27)年3月23日には既に存在していたようである。その写真には、旧店舗建築中の日本銀行釧路支店、旧釧路警察署が写っている。
※1 2020年3月23日サービス終了

あらためて、ロータリー交差点設置時期を周辺の歴史から推定してみる。

1926(大正15)年12月 釧路警察署が現在の幣舞公園に移転新築
1928(昭和03)年11月03日 四代目幣舞橋完成(昭和50年まで/初代は明治33年12月)
1951(昭和26)年10月06日 日銀支店建設の為、警察署が黒金町に移転・新築されて執務開始。(旧庁舎は昭和46年に解体移設され博物館になる)
1952(昭和27)年03月04日 十勝沖地震発生
1952(昭和27)年03月23日 北海道新聞が幣舞ロータリーの様子を撮影
1952(昭和27)年10月01日 日本銀行釧路支店開設
1953(昭和28)年12月09日 産業会館落成、釧路商工会議所業務開始
1956(昭和31)年06月 幣舞ロータリー舗装化工事
寒地土木研究所 > 論文・刊行物検索 > 昭和31年度技術研究発表会1957年09月01日 釧路市ローターリー舗装工事計画概要について で幣舞ロータリー舗装化の計画概要が報告されている。(この論文に具体的な時期の記述はない)
1975(昭和50)年07月 幣舞橋架替の仮橋開通
1976(昭和51)年11月26日 五代目幣舞橋渡り初め

真冬は連日のように真冬日となる釧路で1月~2月の土木工事は考えにくいことから、1951(昭和26)年初冬に工事は完了していたと見ている。

この幣舞ロータリー、通行方法が非常に特殊で旅行者泣かせである。標茶に住む人と会話したときには、できることなら避けたいという証言も得た。(別の人にその話をしたところ、標茶の人は他のクルマが視界内にいる事自体が苦手だろ、と言っていたが)

間違いなく言えるのが、ラウンドアバウトや普通のロータリー交差点のつもりで走ったら交通事故の第一当事者になる危険が極めて高い。

じゃ、どう走ればいいのさ?って自ら描こうとして、取材から3年ほど記事公開を放置してきたが、よくよくググってみたら素晴らしくわかりやすい解説のページを見つけたので紹介する。
「釧路のロータリーの走り方」幣舞橋に車で行く人必読 ←コメント欄も大いに参考になったが、2021年1月時点でウェブページ消失を確認済み。

時間に余裕あれば、ゆっくり散策したいエリアである。
世界三大夕陽と言われる風景を狙うなら、3月中旬か9月下旬がよさげ。
幣舞ロータリーを俯瞰できる幣舞公園には、その昔ここにあった釧路警察署を模したトイレがある。(必見、とは言わないよ?)

カテゴリーロータリー
路線国道38号/国道44号
所在地北海道釧路市南大通1丁目/大川町
実走行日1984-08-28
全景写真
(写真は2009年、2012年に撮影したもの) 幣舞公園から眺める幣舞ロータリー全景
旧日銀釧路支店前から眺める。
ロータリー中央の国道38号終点標識。国道44号起点標識は・・・あるんだろうか?
ロータリーの形状は確かにこのとおりなのだが、この青看板を見ても通行方法はわからない。
この形、タモリ倶楽部っぽい。