すずらん大橋

(初回記事公開:2003年7月12日 記事全面書換:2017年9月23日)
山梨県道17号生涯学習センター前交差点と国道20号荒田交差点を結ぶ市道にある橋梁がループしている。元は、旧小淵沢町役場からすずらん大橋を経由して国道20号方面・鳳来橋北詰(釜無川を渡る直前)までの道路が小淵沢町道西1級7号線だったが、平成の大合併で北杜市になって改廃再指定により現在の名称・区間になった。

七里岩とは、釜無川と立場川が合流する長野県諏訪郡富士見町から山梨県韮崎市までの七里(約28km)にわたって伸びる、八ヶ岳噴火時の泥流によってできた台地状の地形である。台地から下りるための道は険しさを極め、九十九折の道も少なくない。七里岩ループ(青坂隧道)もループトンネルだった。

小淵沢駅から見て、すずらん大橋(1994年6月竣工/橋長94.9m)、すずらん笹尾橋(1992年11月竣工/橋長11.4m)、鳳来橋(1990年3月竣工/橋長195.0m)、の3橋でループが構成される。すずらん大橋とすずらん笹尾橋は深沢川を跨ぎ、鳳来橋は釜無川(富士川)を跨ぐ。

サントリー白州蒸溜所は1973年に開設されているが、その後工場見学が始まり、中央道やJR中央本線からのアクセス路確保が求められるようになったことから、当時の小淵沢町と白州町が連携してそれぞれの町道を1980年代後半に着工、1995年に開通した。そんな経緯があるから、通称「インター白州ライン」なのだろう。

警戒標識には、実際の道路線形を忠実に表現した「のの字」が描かれている。

路線市道鳥原・小淵沢線〔通称:インター白州ライン〕
(旧 町道西1級7号線)
所在地山梨県北巨摩郡小淵沢町
回転度315度
実走行日2003-07-12
全景写真
(2003年7月12日撮影)実際の道路線形を忠実に再現した警戒標識と制限速度30km/h標識。冬場は冷気が川を渡り沢を登る、いかにも凍結しそうな状況だ。
高欄と親柱にはすずらんが描かれている。旧小淵沢町の町花がスズランだから、だろうか。そこらじゅうに群生しているわけではない。

(2003年7月27日撮影)白州(七里岩の下)から眺めるすずらん大橋拡大する
白州(七里岩の下)から眺めるすずらん大橋。七里岩の断崖50mを駆け上がる。

(2015年2月8日撮影)冬のすずらん大橋拡大する
冬に来てみた。この撮影は16時頃で、凍結防止剤・融雪剤がまだ十分効いている時間帯だ。早朝はどうだろうか。

(2017年9月9日撮影)すずらん大橋空撮拡大する
すずらん大橋空撮。撮影してから気付いたが、これじゃ大きな標高差を克服している様子がわからんじゃないか。
すずらん大橋橋名板
すずらん笹尾橋全景。この写真を撮影した地点は旧篠尾村(1954(昭和29)年3月31日に旧小淵沢村と合併して消滅)であり、笹尾とはそれに由来する字名である。橋の向こう側は旧小淵沢村だ。
すずらん笹尾橋橋名板
鳳来橋全景拡大する
鳳来橋全景。釜無川を跨ぐ。水系名称としては富士川であるが、笛吹川と合流するまでの区間は釜無川と呼ばれている。
鳳来橋橋名板
鳳来橋北詰からすずらん大橋を見上げる。
ループ途中に設けられた駐車帯。
この駐車帯は、インター・白州ライン広場と名付けられているようだ。