1959(昭和34)年6月完成の仙人大橋、平面形状が少し歪んでいるが、立派なのの字である。
周辺には釜石鉱山やその採鉱輸送線である櫻山運鉱線等の遺構が数多く残されている。それら遺構は基本的に立入禁止のようだが。
峠の西側に岩手軽便鉄道、東側には釜石鉱山鉄道が敷設され、峠区間には貨物輸送用の索道が設けられていたという。やがて自動車交通の重要性が増すようになり、日鉄鉱業が探鉱目的で1952(昭和27)年に開鑿に着手したトンネルが道路に転用され、1959(昭和34)年9月12日に日本道路公団管理の有料道路・仙人トンネルとして開通、翌日に営業を開始した。それに向けて仙人大橋・仙人小橋が整備されたのだ。
国鉄釜石線が全通したのは1950(昭和25)年10月10日であったが、それ以前に岩手軽便鉄道の時代に鉄道延伸が検討された際、仙人峠東側にはループ線を設ける案だったと聞く。道路設計者にその記憶があったのだろうか、鉄道ではなく道路でループが実現することとなった。
その後、1970(昭和45)年には国道283号に指定され、1980(昭和55)年4月に県へ管理移管・無料開放された。
登り方向は登坂車線を含む2車線になっていて、その昔、釜石が栄えていたであろう頃は大いに渋滞したであろうことが容易に想像できる。それほどに急勾配かつ急カーブが連続する区間である。初訪時、釜石自動車道に接続する仙人峠道路(R283の新道)の建設が順調に進んでおり、この仙人トンネルと仙人大橋が使われなくなる日は近いと思っていた。
2007(平成19)年3月18日に仙人峠道路は開通したが、その後も仙人大橋・仙人トンネルは供用されている。仙人峠道路が災害通行止めになることがあり、その場合は仙人大橋・仙人トンネルが遠野~釜石間の基幹道路として復活する。そんなわけで、毎年のように土砂災害による被害が続く仙人大橋・仙人トンネル区間であるが、被災の都度に速やかな復旧工事が行われている。仙人大橋ループはまだまだ続くと考えて良さそうだ。
| 路線 | 国道283号 |
|---|---|
| 所在地 | 岩手県釜石市甲子町 |
| 回転度 | 250度 |
| 完成時期 | 1959(昭和34)年09月13日供用開始 |
| 実走行日 | 2004年09月18日 |
(2004年9月18日撮影)ループの最奥部、仙人小橋の脇から仙人大橋を眺める。この背後で甲子川の源流である「唄貝の沢」と「蟹岳の沢」が合流し、砂防堰堤(土石流発生抑制工)が設置されている。仙人峠道路開通前の仙人大橋ループはこんな交通量だったので、仙人小橋の橋名板を撮影するのは自殺行為だった。
(2017年10月8日撮影)ようやく、仙人小橋をじっくり撮影する。じっくり撮影するほどの特殊な橋ではない。普通のRC橋だ。
(2017年10月8日撮影)仙人小橋橋名板。竣工日は漢数字表記版とアラビア数字表記版が設置されている。これは珍しい。
(2017年10月8日撮影)仙人大橋。鋼2ヒンジリブアーチ橋、橋長85m。
(2004年9月18日撮影)仙人大橋橋名板。仙人小橋と同じく1959(昭和34)年6月完成。こちらは2枚とも漢数字表記だ。
(2017年10月8日撮影)2017年9月17日の台風18号による被害で仙人大橋北詰の路肩が崩壊しており、この前後50mほどの区間が片側交互通行になっていた。
(2004年9月18日撮影)仙人大橋ループ全景。大規模ループなので全体を見渡せる場所はここしかない。
(2017年10月8日撮影)仙人大橋ループ全景。13年間は短いようで長い。1枚上と同じ位置から撮影しているが、木々が成長して道路が隠れている箇所がある。
(2017年10月8日撮影)仙人大橋ループ空撮。
(2017年10月8日撮影)仙人トンネル東側(釜石側)には急な下り坂を示す標識がある。仙人大橋ループをさらに下ったところに緊急待避所(ブレーキ故障車用の停止設備)が2基設けられているほどに急坂なのである。
(2017年10月8日撮影)かつて有料道路だった仙人トンネルの東側坑口を眺める。車道幅員5.1mで、大型車同士の離合はさぞ難儀しただろう。

