(初回記事公開:2003年4月 改題・記事全面書換:2020年03月)
国道151号の長野県~愛知県の県境越え区間は長らく酷道であった。それは誰もが認識するところで、新野峠前後の区間は昭和40年代以後線形改良・拡幅が事業化されてきた。ここ、新野市街地北部と和知野ダムの間は、落合新野バイパスとして1974(昭和49)年度に事業化された。
旧旦開村(あさげむら)と旧和合村(わごうむら)の村境近くの山々を越えるルートもなかなかの酷道であり、単なる道路拡幅では勾配を改善できないため抜本的にルートが見直され、その対策のひとつとしてループトンネルが採用されることになった。名もなき山を巡るように道路が開鑿され、102mのトンネルで元来た道路の下25mをくぐる新野トンネルである。
名もなき山ではあるが、ループの交差部近くにある内側への分岐路を進んだ先に「はかりまき公園」と山頂には四等三角点「平沢」がある。
その新野トンネルの北900m、山間を抜けて農地がちらほら見えてきたところに以前はループトンネルだった根吹第2トンネルがある。
初回訪問時点ではここで再び旧道へ合流して和知野ダム前まで(この区間が最終工区である巾川工区)酷道状態であったが、帯川トンネル開通を経て2005(平成17)年12月8日に落合新野バイパス全区間の開通を迎えた。また、それは根吹第2トンネルがループトンネルでなくなったことを意味する。
なお、道の駅信州新野千石平で1000円以上の買い物もしくは食事すれば、はかりまきループ橋カードをもらえるとのこと。そんな特典があるとはつゆ知らず、2019年の再訪時は道の駅信州新野千石平に立ち寄ったにも関わらずトイレのみ利用して出発したことが悔やまれる。
新野トンネルのポータルには、
新野側:イワナとヤマメとトウモロコシ
帯川側:新野の雪祭りに登場する神様「幸法(さいほう)」
それぞれのレリーフが施されている。道の駅信州新野千石平に雪祭りの神様「幸法」像があるので、併せて見ておきたい。
ループの交差部がトンネルなので「ループトンネル」と呼ぶのが正しいと思うが、その橋カードでは「はかりまきループ橋」と称されている。ループを構成する区間内に橋が2件(はかりまき2号橋・はかりまき3号橋)あるので、あながち間違っているわけではない。
この「はかりまき」、小字名なのか山名なのか調査しきれていない。
路線 | 国道151号 |
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所在地 | 長野県下伊那郡阿南町和合 |
回転度 | 270度 |
実走行日 | 2003-04-26 |
全景写真 | |
(2003年8月10日撮影)
新唐沢橋付近から眺める「はかりまきループ」全景。と言ってもループしている様子はまるでわからない。 新野(にいの)トンネル銘板 根吹第2トンネルループ全景。写真中央の車両から写真右方向へバイパス建設中。 根吹第2トンネル銘板。ここは近いうちにループではなくなることを十分予感させる作りであった。 (2019年11月17日撮影) 拡大する はかりまきループ全景。 拡大する 写真をクリックして、はかりまきループを構成する橋梁を一覧する。 拡大する 新野トンネル帯川側ポータルには、新野の雪祭りが描かれている。反対側のポータルは、イワナとヤマメとトウモロコシだ。 ループの内側には「はかりまき公園」がある。 はかりまき公園、建設当時は見晴らしがよかったのだろうが、木々が成長してどうにもならぬ。 拡大する はかりまき公園全景。当然だがトイレも水道もない。しかし、四等三角点はある。 拡大する 今となってはループではないが、根吹第2トンネルループを俯瞰してみる。 |