道南・江差の北、乙部町の突府岬(とっぷみさき)にある元和台海浜公園は、元和漁港海岸環境整備事業により1990(平成2)年に完成・供用開始となった。海のプールが有名で、道内屈指の海水浴場らしい。
元和漁港海岸環境整備事業は平成2年度全建賞(港湾部門)を受賞している。
まとまった土地は切り立った崖の上にしか確保できない地形であり、海水浴客向けの駐車場は崖の上に設けられている。海のプールまでの標高差約30mを安全に通行できるように設置された歩道橋がループしている。乳母車や車椅子も通行できるよう、歩道橋前後にも段差回避の九十九折スロープが設けられている。
デザインコンセプトは不明だが、上から見た形状は六角形だ。見た目重視なら曲線の螺旋にするのが常套のはずなのだが。
7743さんから2019年12月30日のコメントにて構造についてとても的確に解説いただいた。私は検証できるだけの知識を持たないが、これが全てだと思う。
それにしても、どういう経緯でこの名になったのか。町内に名称募集したのだろうか。
通行もしくは海浜公園入場には清掃協力金が必要だ。
| 路線 | 園路 |
|---|---|
| 所在地 | 北海道爾志郡乙部町元和 |
| 回転度 | 630度(1.75回転) |
| 完成時期 | 1990年 |
| 実走行日 | 2016年08月13日 |
(2016年8月13日撮影)
駐車場から眺める。
元和台海浜公園「るーぷ橋」全景
1.75回転しており、下のほうが曲率が小さく(緩カーブに)なっている
ループ橋なのにストレート過ぎるネーミング、「るーぷ橋」
海岸環境整備事業により、漁港に隣接する海岸一帯が整備された。
(2023年7月13日撮影)
門型橋脚に箱桁を渡している様子がわかる。
この頭上の桁だけ他の桁と構造が違う?
「とんねる山」坑口から「るーぷ橋」を見上げる。
「とんねる山」というトンネル名。フリーダムな感じがいい。
「とんねる山」の銘板はあったが「るーぷ橋」の橋歴板は見つけられなかった。と思ったら、とんねる山坑口直下にあるじゃないか!(当記事追記中に発見)
7743さんによれば「バリアフリースロープ構造物をループ化したものではないか」とのこと。橋のようで橋でない、ってなんか面白い。
当ページで使用している写真の一部を、設計者である株式会社帝国設計事務所のウェブサイトに提供しています。


コメント
桁は軽量PC床板かな・・・工場で製造して架橋した感じかなぁ?継ぎ目等の近接映像がないとはっきりとは言えませんが、RCではこの薄さは作れなささそうなんで。
PC構造で曲線はつくれなくないんですが、橋脚を極限したいとかの特別な理由がない限りPC曲線桁は避けるんです(非常に高価になります)。
RCなら曲線は比較的簡単ですが、重いしPC曲線橋よりは安いですが人道橋に使うには高価で大重量。海辺で現場施工だと工程管理が厳しい。
と言うわけで工場生産した直線PC床板を架橋したんではないでしょうか?それでカクカクな構造に。
ラーメン構造かとも思いましたが、橋脚の太さ的にそれはなさそうだと判断しました。
どうでしょうかね?
ちなみにPC曲線桁は施工管理が難しい、高価などの理由によりPC直線桁を組み合わせたカーブ橋は最近増えてきています。見た目が非常に悪くなるんですが昨今の経済状況ではいかんともしがたい訳で。
有名なところですと近鉄中川短絡線が短径間のPC橋を組み合わせてカーブをつくっています(のの字関係ないです。すいません)。
7743さん、構造の推定と解説ありがとうございます。今になって読み返してみたら、この写真ではどんな橋なのかほとんどわかりませんね。実はこの取材をおこなったとき、営業前?で立ち入れなかったので、やむなくこんな写真になったのですが、次回訪問の機会にはちゃんと撮ります!
出張に行ったついで(と言うには時間もお金もかかりましたが^^;)に見てきました。
これ以外にもこのサイトで紹介されていた箇所をいくつも見てきましたが。
結論から言うとPRCボックス桁で、土木用ではなく、建築用の既製品を歩道の全幅に渡って隙間無く並べた構造でした。これは大重量活過重を考慮しない構造物としては金銭的にも強度的にもかつ、施工難易度的にも非常に合理的な構造で、恐らく見た目から想像されるよりはるかに安価に建設できたはずです(2億いっていない・・・現地を観察した限り堅牢な支持基盤がありそうなので1億以下で「建築」出来たのでは?と考えられます)。
資料が無いかどうかあたったのですが、時間的制約により断念。めぼしい資料に行き当たらなかったのですが、現地で現物を見た限り、土木構造物と言うよりオープンエアな建築物と言った風情で、非常に感心しきりな感想もちました。とても面白いものを見れてお得な気分です。
形状以上に施工に関心がもたれる構造物でした(現地を見る限り「橋」と言うより「バリアフリースロープ構造物」をループ化したものと言ったほうがしっくり来ます)。
7743さん、とてもアーキテクトなレポートありがとうございます。専門的でありながら素人にもわかりやすい(というか、興味を持ちやすい)コメントで、俄然再訪したくなりました。