1935(昭和10)年9月に上陸・接近した2つの台風の影響で関東一円は5日間にわたり豪雨となり、とりわけ烏川流域に雨域が集中、西部山間部では総雨量が400mmを超え、群馬県内の死傷者は400名を超える事態となった。これを機に当時の内務省により砂防対策事業が開始され、現在も烏川やその支流で国交省直轄砂防事業が行われている。
その支流のひとつである増田川に、昭和32年7月着工・昭和34年3月竣工の上木馬瀬(かみちませ)砂防堰堤がある。2004年から実施された耐震補強の堤体工事と併せてらせん型魚道が整備された。完成は2006年1月。
関東地方では中津川治山堰堤魚道(埼玉県)とここにのみ存在する。(当社調べ)
高さはおそらく国内最大、5層構造の10mとなっている。
堰堤下の川岸に下り、魚道を見上げるように写真を撮りたかったのだが、アプローチ路を見つけられず時間切れで撤退。再訪の理由を作ってしまった。
構造 | らせん型魚道 |
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水系 | 利根川水系烏川支流増田川 |
所在地 | 群馬県安中市松井田町上増田木馬瀬 |
回転度 | 1800度 |
訪問日 | 2016-03-05 |
全景写真 | |
昭和34年竣工の堰堤堤体と2006年完成の魚道。 ※撮影に際しては、畑の耕作者に立ち入りの承諾を得ています。 魚道本体は、他のらせん型魚道と違って擬岩加工は施されていない。 すぐ近くには福寿草の自生地もある。もう少し早い時期に訪問していれば満開の蝋梅も眺められたのだが。 |