新穂正明寺地区水田階段魚道

佐渡の誇り、朱鷺(トキ)。
2003年に野生の個体は絶滅したが、生物学的に同一種の中国産トキで人工繁殖が行われており、現在佐渡島では200羽以上が飼育され、280羽近い野生トキが生息しているとのこと。

その餌は主にドジョウやカエルだが、野生トキが生息するために必要な量には遥か及ばず、持続的な野生復帰を目指して2005年から順次餌場を確保するための施策が取られているそうだ。その一環として、水田やその周辺の池・湿地等を含めた生態系ネットワークを作っており、生物が水田と外を往来できることが重要であるため、水田魚道が整備された。

水田魚道としてはループ魚道(階段魚道)を含む数種類の方式が試されているらしい。隈なく探したわけではないが、50件程度の水田魚道のうち2件がループ魚道(階段魚道)らしい。

そのうちの1件は雨雪除けの波板が打ち付けられていて見物できなかったが、1件は見物できるようになっていた。なっていたが・・・試験的な設置のためか合板を加工して作られた魚道で、訪問したときには腐り落ちて魚道としての役割を全く果たしていなかった。予算が足りないからなのか、人手が足りないからなのか。より有効な方式でいいので、魚道の復活を祈るばかりである。

構造その他の型式
所在地新潟県佐渡市新穂正明寺
回転度不明
訪問日2018-04-29
全景写真
佐渡広域農道から佐渡トキ保護センター野生復帰ステーション方面へ進むと、道路脇にこのような看板が設置されている。
ループ魚道(階段魚道)が設置されている水田。ちょうど代掻きの時期であった。
ループ魚道(階段魚道)を眺めてみると、おやおや・・・
底が腐って抜け落ちているではないか。
これでは生物は遡行できないな。
1件のループ魚道(階段魚道)はおそらく雨雪除けの目的の波板が打ち付けられ、状態は確認できていない。
新穂正明寺地区水田階段魚道がある場所から眺める大佐渡の山々。水田に映る残雪の山が美しい。