中津川治山堰堤魚道

ループ橋で有名な雷電廿六木橋は滝沢ダムの直下、中津川に架けられている。
その滝沢ダムから奥秩父もみじ湖(滝沢ダムのダム湖)を経て中津川を遡ること14km、市道大滝幹線17号線(いわゆる中津川林道)沿いにある彩の国ふれあいの森(埼玉県森林科学館)に駐車して200mほど西へ歩くと、眼下に堰堤とループ魚道が見える。

1996年度の埼玉県治山事業で堰堤建設とともに魚道が設けられたらしい。
治山事業とは、「森林法または地すべり等防止法に基づき保安林内で行われる」もので、長期的に森林を形成させる狙いがあることが「砂防法に基づき砂防指定地で行われる」砂防事業との大きな違いだそうだ。
参考 : 林野庁 > 分野別情報 > 保安林制度・治山事業・林地開発許可制度 > 治山事業 > 治山事業の体系

現地に設けられている森林科学館で何かの情報が得られると期待したが、林業華やかなりし頃の情報が中心で、近年の情報はほとんど得られなかった。

二重の堰堤の上流側で河川本流から分流した魚道は、下流側堰堤の下で3回転半して河川本流へ繋がる。魚道の上には流木と転石が引っ掛かっていて、魚道として機能しているのか少々心配だ。

構造らせん型魚道
水系荒川水系中津川
所在地埼玉県秩父市中津川
回転度1260度
訪問日2015-05-31
全景写真
この形式(らせん型魚道)は、どこのものを見ても中世の城か高射砲塔に見える。製造元が同じなので当然であるが、背景の堰堤との組み合わせの問題か。
魚道高さは目測で5.5m。直線の魚道を建設するのは非現実的だが、人が立ち入りにくい場所に設けられた魚道は堆砂の除去が難しく、悩ましい問題だ。
森林情報館にはこの写真の時代の情報が展示の中心だ。

ループ魚道の四季 初夏(2015年5月31日)
晩秋(2015年11月1日)
厳冬(2016年1月24日)