深倉川第1号砂防堰堤魚道

2015年5月の九州ツーリングに向けてOpenStreetMapで林道障子岳線のマッピングをしていて不明な箇所があったので、サーベイすべく現地を訪問した際に発見した。と、まるで世紀の大発見かのような書き方だが、帰宅後に調べてみたらネットではかなり前から話題になっていたらしい。

ともかく、ループ魚道の存在はここで偶然に知ることができた。
よく考えて見れば、球磨川の荒瀬ダムにはスイッチバック式魚道があった(これは知識として知っていた)のだから、ループ式があってもおかしくないと気付くべきだった。

たまたま通りがかった近くに住む兄さんに話を聞いたところ、この魚道ができたおかげでヤマメが遡上するようになったが、それに目をつけた中学生高校生が片っ端から取って食って以来、遡上しなくなったとのこと。また、ループ式魚道はここ以外に国内に5件あると。

所在地福岡県田川郡添田町落合
回転度900度
訪問日2015-05-04
全景写真
これが本来の調査対象、林道障子岳線起点標。ここのすぐ脇に深倉林道方面への旧道があり、そこを歩いてみると・・・
砂防工事が施されている。1992年まで深倉林道方面の道路はここに旧深倉橋が架けられていた模様。現深倉橋は、この写真の背後にある。
階段式魚道に近づいてみた。河道に転がる大きな石は、いつ流れてきたものだろうか。
砂防ダムに目を向けてみる。
と、そこには高射砲台(高射砲塔と言うべきか?)が。なんで砂防ダムと高射砲台なのさ?と思って近づいてみたら・・・
おおお。これは魚道ではないか。しかもループしておる。と、そのときは欣喜雀躍。
それにしてもこの建造物表面。それほど古いものではなさそうであり、苔生した結果とは考えにくい。周囲の風景に馴染むよう擬岩加工されているのだろうか。
霧雨で足元が滑りやすい状態のため、これぐらいまで近づくのが限界。水は緩やかに流れている。
窓から覗いてみると、隔壁に段差が設けられていて、越流する場所としない場所が存在する。この結果、瀞場(水が澱む場所)ができるので、おさかなさんが休憩できるというわけだ。
・・・なんてことを知る・考えるための窓なのか?と一瞬思ったが、おそらく違うだろう。中に堆積した土砂を除去するための作業口と考えるべきだ。
この標示により、福岡県が作ったものであること、堰堤の正式名称が深倉川第1号砂防堰堤であることを得たが、いつ作られたものか、未だ不明である。おそらくは、深倉橋架替の前後だろうと推測するが。