松下びわこバレィヴィラ

びわ湖バレイの麓に開発された別荘地中央の5枝交差点に中央島がある。
回転方向は示されておらず、残念ながらロータリー交差点とは言い難い。すぐ横には関西電力高島堅田線46号鉄塔(昭和3年12月建設)があるのだが、なぜそれを中央島に置かなかったのか不思議だ。既に一般的な手法になっていたはずだが、別荘地のシンボルとしては相応しくないという判断だろうか。

中央島には別荘地名や着工・完成時期とデベロッパーが松下総業であることを記した門標がある。松下総業は大阪市北区中津にあった会社ということはわかったが、現状は不明。このような石造門標を残すということは悪どい会社ではなさそうだ。

当時は湖西道路(現・国道161号バイパス)はなく国鉄湖西線建設へ向けて江若鉄道が廃線になる鉄道空白の期間という交通事情は極めて悪い環境であったにも関わらず、1975年の空中写真で半分ぐらいの区画に建物が建っており、当時の別荘地としては成功した部類のようだ。

路線私道
所在地滋賀県大津市木戸/同 八屋戸
完成時期1970(昭和45)年8月
実走行日2025-03-21
全景写真
別荘地入口のゲートには「琵琶湖バレーヴィラ」と書かれている。中央島の銘石に刻まれた名称と異なっているが、事業者が変わってから作られたのだろうか。
松下びわこバレィヴィラの円形交差点を南東側から眺める拡大する
松下びわこバレィヴィラの円形交差点を南東側から眺める。入口ゲートからまっすぐ進むとこの場所になる。
南側から眺める。路面に「トマレ」の標示。比良山麓だけあって、なかなかの傾斜だ。
西側から眺める。この接続路も一時停止を案内している。入口ゲート方向(右斜め前)へ進むとき、わざわざ中央島を右回りするとは思えない配置だ。
北西側から。警戒標識「ロータリーあり(201の2)」はもとより右回りを誘導するものはない。中央島の存在を示す反射板さえない。
東側から。この接続路も一時停止を案内している。つまり、メインストリート(傾斜に沿った道路)に優先権があるということか。この接続路はびわ湖バレイのアクセス路につながっているが、自動車は通行できないよう柵が設けられている。不正通行対策か?
中央島の石造門標。誰が作ったか後世まで名を残す勇気がある会社は意外に少ない。

情報提供:@Niimi_goshuin さん