白草トンネル

葛野川(かずのがわ)ダム建設のため国道は迂回することとなり、1995年に作られたトンネルである。ダム湖(松姫湖)への湛水開始が1998年10月なので、それ以前に供用開始されているはずだが、具体的な年月は不明。往時の地図を見る限り、ダム建設以前の国道139号(※)はちょうどダム湖の湖底を通っていたようだ。

※ 正確に言えば1993年までは県道であった。ダム建設が決定して付け替え工事が必要になったため、国費で工事を行うべく国道指定したのではないかと推測する。

ダム建設による付け替えで終わると思いきや、この白草トンネルや松姫峠をバイパスする形で小菅村の小永田へ抜けられる松姫トンネルの建設真っ最中である。2012年開通予定だったが延期されて今年度2014年度に開通予定とされている。
ダムへの取付道路の意味があるので、松姫トンネル開通後も白草トンネルは継続して供用されると思われるが、その先の区間は不明だ。

ところで、このトンネルは「しらくさトンネル」と読めばいいのかな?それとも「しろくさトンネル」?案外「はくそうトンネル」?由来は? 謎だらけである。ちょっと調べてみたけどわからなかったよ。かと言って、そのためだけに県庁富士・東部建設事務所道路課北部道路担当に問い合わせるのもなあ。

路線国道139号
所在地山梨県大月市七保町瀬戸
回転度270度
実走行日2005-10-30
全景写真

松姫峠の南側最初のヘアピンから撮影。これがほぼ全景である。トンネル故にループしている様子はまるでわからないのが残念だ。

上の写真をアップする。立体的に交差している部分は、残念ながら山肌の陰になっている。

トンネルによる国道139号同士の交差部。大規模な土留め工事が施されていることがわかる。

白草トンネルの松姫峠側ポータル。坑口の左側に分岐する道が旧道であり、ダムへ向かう道で、現在は林道土室日川線である。

白草トンネル大月側ポータル。遥か頭上で、走ってきた道が交差する。その標高差50m!

2枚上の写真の場所から林道土室日川線に入ってみた。すぐに写真のようなトンネルがある。トンネルが林道、その坑口左に分岐する道が国道139号の廃旧道である。すぐにゲートが存在し、進入を拒まれる。

林道トンネルに入ると、中で分岐していた。直進方向はゲートで閉鎖されている。仕方なく左折すると、坑内照明が自動的に点灯する。隠しスピーカーから「飛んで火にいる夏の虫だな、フッフッフッ」なんて囁かれるんじゃないかと、ちょっと不気味。

トンネルを抜けるとダム堰堤。
すると突然、隠しスピーカーから「ようこそ葛野川ダムへ」なんて囁かれたので喉から心臓が飛び出すかと思った。よく聞いてみると、柵を越えるんじゃないぞ、的な注意事項の説明らしい。ふぅ。
写真はトンネルを抜けてダム堰堤を渡りきった地点で、トンネル方向を撮影。対岸にガードレールが見えるが、これが国道139号廃旧道である。

片隅に慰霊碑があったので、心の中で殉職者に冥福を祈りつつ、ダム湖を眺めてみた。

ら。

なんだあれは?

コンクリートの構造物の上に柵?
これは国道139号廃旧道のトンネルポータルか?
いや待て。
それにしてはコンクリートが新しすぎるんじゃないか?と廃道探索意欲を盛々盛られる場所である。

・・・帰宅後にじっくり調べてみようとググってみたら、最初にヒットしたのが 山行が で、そこに全てが書かれていて謎が解けた反面、意気消沈したのは毎度のことである。

葛野川ダムと下流の深城ダムの間に設けられている小金沢公園から眺める国道139号廃旧道。うわー、歩きてぇー。

以上の写真は、いずれも2014年5月1日撮影。

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