八積駅前ラウンドアバウト

千葉県唯一の村・長生村にあるただ一つのJR駅・八積駅。
住民の主要な移動手段は自動車であるものの鉄道も重要であることに変わりはなく、「八積駅周辺地区」都市再生整備計画事業の一環で駅前広場にラウンドアバウトを併設する形の交差点改良・駅前広場改良が行われた。

当初の示された完成予想図では送迎車乗降場所が駅入口から15~35m離れた場所に設けられることになっていたが、実際には30~60m離れることになった。その結果だろうか、取材中のわずかな時間にも環道や横断歩道上に停車して乗降する車両が数台あった。雨の日はより顕著になりそうな印象を持つ。

駅前広場にラウンドアバウトを併設することは、総論としては間違った設計ではないものの、細部の設計次第で運用が難しくなることを実感する。

路線県道227号八積停車場線/町道3355号線/2級町道14号線
所在地千葉県長生郡長生村岩沼
完成時期2021(令和03)年12月14日公安委員会指定
2021(令和03)年12月28日完成
実走行日2024-06-29
全景写真
八積駅前ラウンドアバウトを南西(県道側)から眺める拡大する
八積駅前ラウンドアバウトを南西(県道側)から眺める。この接続路に横断歩道はないが、写真の左に郵便局、右に郵便局来客駐車場があり、横断者は一定数発生する。
北西側から眺める。この横断歩道上に停車して同乗者を下ろしているのには驚いた。停車時間は数秒だったけれど。
八積駅前ラウンドアバウトを南東から眺める拡大する
南東から眺める。右の屋根がある場所に迎車が停まると(=数分~十数分停車)さまざまなモラルハザードを誘発する。ここは降車専用にすべきだろう。また、ポールコーンで右折を抑止しているため、南東から走行してきた車両が同乗者を下ろす場所がないのが現実。村はすぐ近くに乗降を想定した駐車場を整備したが、利用者は時間が惜しいようだ。
八積駅前ラウンドアバウト全景拡大する
八積駅構内跨線橋から見るラウンドアバウト。全体としてはうまくまとまっているのだが、細部の使い勝手が残念。
八積駅南口(施工後)拡大する
八積駅南口(施工後/2024年6月29日撮影)をパノラマで見る。
八積駅南口(施工前/2021年4月11日撮影)拡大する
八積駅南口(施工前/2021年4月11日撮影)をパノラマで見る。撮影位置が10mほど違うのはまことに遺憾である。
(2021年4月11日撮影)施工前に掲示されていた完成予想図。乗降場所はこのように配置できなかった。