安城北部工業団地(デンソー前)ラウンドアバウト

広報あんじょう(2019年12月15日1943号)で、安城北部工業団地の交差点をラウンドアバウトに改良することが発表された。工業団地と言ってもあるのはデンソー安城製作所だけだが、その東門前の交差点は4方向とも一時停止で規制されているがゆえに優先関係がはっきりしないために渋滞が発生しやすかったようだ。

工場拡張(増設)に伴い通勤車両が大幅に増えることや納品や製品出荷による物流増に対応するには、ラウンドアバウト化が好都合と判断されたのだろう。特に朝夕の通勤時間帯においては信号制御はかえって渋滞を増大させる要因になる。加えて、デンソー社内ルールにより、入出構車両は東西方向の市道長根東山ノ田線を通行しないよう指導している模様。

東西方向の市道長根東山ノ田線に並行して明治用水緑道西井筋線(歩道と自転車道)があるため、環道と緑道の間に安全距離を確保するべく、ラウンドアバウトの中央島中心位置はかつての十字路中心位置よりも南東にオフセットされ、デンソー東門入構ゲートと緑道の間に40mの入構待ち行列空間を確保している。

南北方向の市道は交差点改良計画時点では北歌口八幡線であったが、着工直前の2021(令和3)年3月2日をもって起点が変更され、長根八幡線になった。

路線市道長根東山ノ田線/市道長根八幡線
所在地愛知県安城市里町北歌口
完成時期2022(令和4)年1月5日暫定運用/2月中旬正式運用開始
実走行日2022-05-03
全景写真
安城北部工業団地(デンソー前)ラウンドアバウトを東側から眺める拡大する
安城北部工業団地(デンソー前)ラウンドアバウトを東側から眺める。写真が傾いているのではない。地盤が傾斜しているのだ。少し南を流れる猿渡川の段丘崖に相当する地のようだ。
安城北部工業団地(デンソー前)ラウンドアバウトを南側から眺める拡大する
南側から眺める。見通しはよく、右方からの車両接近有無を早期に確認できるので、環道進入時に極端に減速することを避けられる。
安城北部工業団地(デンソー前)ラウンドアバウトを南側から眺める(2)拡大する
南側から中央島に接近してみる。ラウンドアバウト運用開始から4ヶ月ほど経過しているが、通行方法案内の立て看板が掲出されている。また、規制標識「環状の交差点における右回り通行(327の10)」の上下が正しく取り付けられているのはここだけで、他の3枝は誤っている。
安城北部工業団地(デンソー前)ラウンドアバウトを西側から眺める拡大する
西側から眺める。ラウンドアバウト化以前の道路はもっと左側にあったが、環道接続はスムーズな道路線形になっている。
安城北部工業団地(デンソー前)ラウンドアバウトを北側から眺める拡大する
北側(デンソー安城製作所東門側)から眺める。路面ペイントが「とまれ」「ゆずれ」どっちやねん!とツッコミたくなるが、十字路だった時代の「とまれ」を消せていない状態。この道路は市管理ではなくデンソー管理だろうから、舗装工事実施時期は別途計画されるのだろう。
エプロンは注意喚起のカラー舗装だが、同心円状に塗布痕跡があるのは珍しいかも。厚塗りしすぎただけなのか、塗装のわずかな段差で乗り上げ走行をドライバーに伝える効果があるのか。今後の学会発表に注目したい。
デンソー社内ルールとして、入出構車両は東西方向の市道長根東山ノ田線を通行しないよう指導している。要は直進だけ。南北方向の道路を通行する一般車両はほとんどなく、入構待ちの渋滞が発生しても市民生活に影響を及ぼさないように、という配慮か?
安城北部工業団地(デンソー前)ラウンドアバウト全景拡大する
安城北部工業団地(デンソー前)ラウンドアバウト全景。