名古屋駅前ロータリー


名古屋駅桜通口、東側駅前広場の三叉路がロータリー交差点形式で制御されている。ただし、2025~2027年頃にはロータリー交差点は廃止となり、信号制御の三叉路に整備される見込みである。リニア中央新幹線開業に合わせて、名古屋市が策定した「名古屋駅周辺まちづくり構想」による駅前広場再整備事業によるもの。

省線(後の国鉄・JR)名古屋駅が現在地に移転開業したのは1937(昭和12)年2月。このときは駅の移転が先行し、後続で行われた駅前広場の整備によりロータリー交差点が設けられた。省線名古屋駅移転に合わせて、名古屋市電の桜町西線(その後に広井町線に切り替え)が敷設され、ロータリー交差点の中央島を貫通する形式が取られた。

1954(昭和29)年、名古屋市営地下鉄東山線(1号線)の工事が始まり、名古屋駅前ロータリーの中央島はそれまでの円形からD形に改修された。

地下鉄東山線は1957(昭和32)年11月15日に開業、翌年には名古屋市出身の彫刻家・野々村一男氏による青年像が中央島の名古屋駅側に置かれ、市電軌道を挟んで中央島の反対側には噴水が設置された。なお、その青年像は地下鉄桜通線工事のため1984(昭和59)年に一旦撤去された後、名城公園の「おふけ池」近くに移設展示されている。

1972(昭和47)年3月1日をもって名古屋市電は廃止となり軌道は撤去されたが、それによる名古屋駅前ロータリーの改修はなかった模様。

このように鉄道敷設に起因する幾度かの改修を経て、1989(平成元)年には名古屋市制100周年の記念事業として世界デザイン博覧会が開催されることに合わせて名古屋駅前ロータリー交差点の整備が行われ、ステンレス製パイプを組み合わせたモニュメント「飛翔」が設置された。平成時代は名古屋駅前のシンボルであったが、冒頭に記述のとおりリニア中央新幹線開業に向けた駅前広場再整備のため2021(令和3)年3月3日に撤去工事が始まった。2022年3月までに撤去完了予定。

路線愛知県道68号名古屋津島線/市道広井町駅前線
所在地愛知県名古屋市中村区名駅3丁目
完成時期1938(昭和13)年
実走行日2021-02-13
全景写真
名古屋駅前ロータリーを東側から眺める。大きすぎて画角に収まらない。
名古屋駅前ロータリーを北西側から眺める拡大する
名古屋駅前ロータリーを北西側から眺める。中央島にある円錐形のモニュメントが「飛翔」だ。螺旋形で上昇運動を表現しているそうだが、ロータリー交差点の進行方向と逆。ちょっと気持ち悪くないか?と撤去が始まってから言っても後の祭りである。
JRセントラルタワーズ15階の愛知県旅券センター前から眺める名古屋駅前ロータリー。この車線数なので環道上で車線変更はかなり難しく、初見殺しと言えよう。遥か向こうには昭和20年代にロータリー交差点が設置されていた泥江町(ひじえちょう)交差点が見える。
信号制御されており、環道上で停車する必要がある。
TBCN Sakuramachi-Nishi Line1938(昭和13)年の名古屋駅前ロータリー(ウィキメディア・コモンズ
眼高はかなり低いが2枚上の写真とほぼ同じ位置で撮影されており、現在の県道68号名古屋津島線に沿って市電軌道が通されている。

空中写真で見る名古屋駅前ロータリーの変遷

1946(昭和21)年 | 1963(昭和38)年 | 1982(昭和57)年 | 2007(平成19)年 | 2017(平成29)年

1946(昭和21)年06月07日 市電軌道は中央島を貫通して南北に伸びている。路面の轍の状態から、逆走車はなかったように見える。
1963(昭和38)年05月18日 地下鉄東山線工事に伴う駅前広場整備により、中央島が円形からD形に変わったが、市電軌道はまだ中央島を貫通している。
1982(昭和57)年11月27日 市電廃止により軌道撤去。ロータリー通行方法はこの時点で現在とほぼ同じになっているように見える。
2007(平成19)年10月17日 噴水が撤去され、モニュメント「飛翔」が設置されたが、ロータリー通行方法は大きく変わっていない。
2017(平成29)年04月簡易空中写真 中央島東側の環道にゼブラが設けられ、駅に向かう車両と名駅通を南行する車両を早い段階で分離するようになったことがわかる。