しばた千桜橋


宮城県柴田町が誇る、船岡城址とそのすぐそばにある白石川堤一目千本桜。ところがこのふたつは県道50号白石柴田線と東北本線で分断され相互往来を阻んでいた。これを解消し、観光客の満足度向上を狙って横断歩道橋が架設された。

せっかくの横断歩道橋架設なので県道横断者の利便も考慮して、或いは公衆便所は河川増水時に冠水するおそれが低い場所に設置することが求められるために県道脇に設置せざるを得ない事情により、横断歩道橋の途中に県道脇へ降りるための昇降階段が設けられた。この昇降階段が螺旋階段を描いている。

横断歩道橋を夜間ライトアップする想定のため「映える」デザインが優先された模様だが、螺旋階段部自体は私の興味を強く刺激するものではなかった。

その一方で刮目する部分もあった。河川敷の昇降階段と斜路だ。
歩道橋本体の橋桁に翼みたいなものがついてるのはなんでだ?と思って追いかけてみると、なんと昇降階段と斜路は歩道橋本体に吊り下げられていたのだ。そんな構造は初めて見たぞ。

帰宅後に種々資料を読んでみたものの、そのような設計にしたことが記された論文が見つからない。ということは、多くはないとしても一般的なのだろうか?

素人頭で想像するに、白石川が増水して河川敷や堤防が洗掘される事態になったときに、通常の構造だと昇降階段や斜路の重みで歩道橋が倒壊または破損・変形するリスクがあるが、このように吊り下げておけば万が一の際には昇降階段や斜路が宙に浮くだけで、復旧工事は堤防の土工だけで済むということだろうか?

このような設計になった理由、他の場所での事例等をご存知の方のコメントを期待したい。(よろしくお願いします)

路線宮城県道50号白石柴田線
所在地宮城県柴田郡柴田町大字船岡字川端
回転度900度
完成時期2015(平成27)年3月29日
白石川河川敷の斜路は2016(平成28)年4月7日
実走行日2022-08-27
全景写真
しばた千桜橋の螺旋階段部拡大する
しばた千桜橋の螺旋階段部。900度(2回転半)は決して珍しくはない。
しばた千桜橋の螺旋階段部を見上げる拡大する
しばた千桜橋の螺旋階段部を見上げる。橋脚が異様なまでに太い。T型ラーメン橋かな?
昇降階段の向こう側に見える建物は、おそらくこの昇降階段を設ける理由のひとつになった公衆便所だ。
螺旋階段部を別角度から眺める。階段の支軸は2本。階段の自重もさることながら、この階段に人が滞留する場合を想定するとこうなるのだろう。
横断部に上がると船岡城址がすぐそこに見えるが、実は結構な距離を歩かねばならない。
橋桁部の厚みが変化している拡大する
橋桁部の厚みが変化している。ラーメン橋独特だねえ。
河川敷に降りるための昇降階段拡大する
河川敷に降りるための昇降階段。
なんだあの翼みたいなブームは?この歩道橋、有事にはホイストクレーンを取り付けられるのか?
と思いながら下に降りてみたら。
Oh... 昇降階段があのブームに吊るされているのか!なんというヘンタイ吊り橋!(なお、自転車用斜路も同じ構造である)
そんなふうに興奮しながら、次のポイントに向かうべくバイクに戻ろうとして...そうだ、ラーメン橋のコンクリート橋脚と鋼桁の結合部を見なきゃ。 なぬー!? 支承やん。ラーメン橋じゃないって?
じゃあ、あの橋桁の厚み変化は何なん? 完成年月の橋名板は見当たらなかったな。揮毫は何かのフォント?それとも地元の書家?
橋歴板に並行して何かのケーブル。すげー邪魔だぞっ。固定しろ!
平成24年の道路橋示方書及び昭和54年の立体横断施設技術基準、当たり前だけどいずれもこの横断歩道橋設計時点で最新版が適用されている。
注目すべきは、横断歩道橋でありながら道路橋示方書も適用している点だろう。これだけではどの部分に道路橋示方書を適用しているかはわからないが、この歩道橋の架設目的からして群衆荷重の関連項目と見てよいと思う。