洲崎口避難ループ橋

臼杵津久見警察署前交差点の横、臼杵城の海雲櫓跡付近に設けられている歩道橋。
臼杵城は、元々臼杵湾に浮かぶ丹生島に築城されたという。モンサンミシェルのイメージか?
江戸期以後に北東方向に埋め立てられ、「洲崎」と呼ばれる埋立地が作られていったそうだ。
ループ橋が設置されている付近、現在の臼杵津久見警察署付近が埋め立てられたのは1960年代後半、それまで丹生島北東壁の海岸線に沿うように現在の県道33号臼杵停車場線はカーブを描いていた。

その道路敷は永らく公園として使われていたようだが、今般、災害対策のひとつとして、10m規模の津波が発生した場合に周辺住民が臼杵公園へ円滑に避難するために設けられた。2013年9月26日開通式。
近傍に存在すると見られている中央構造線は活動度の高い活断層であったり、いずれ発生する南海トラフ地震を考慮すると、大分県中部(佐賀関)から宮崎県北部(日向)にかけての海岸線はリアス海岸であり、大規模な津波発生がありうるとのことだ。
歩道橋の名称に「避難」を加えたことで、この橋の存在価値がわかりやすい。

道路面からスロープで2回転して公園までつながっている歩道橋であるが、公園に入った途端に階段がある。これじゃ車いすの避難はおぼつかない。ということは当然市役所も把握していて、「車いす利用者などの避難誘導、ループ橋の終点となっている平地部分や階段の整備については、今後の検討課題」とされている。

@tmuguさんのツイートがなければこの橋の存在に気付くのは1年以上遅れただろう。Twitterの力に感謝。

路線県道33号臼杵停車場線廃道敷
所在地大分県臼杵市臼杵
回転度720度
実走行日2015-05-01
全景写真
洲崎口避難ループ橋全景。
ループ橋の向こう側に見える建物群は埋め立てが完了した1970年以後に建てられたもの。取材時には気付かなかったが、小さいながら太陽光発電機が付いている。スロープ部の照明だと思うが、どのように点灯するのだろうか。


国土地理院1948年2月19日撮影の空中写真。洲崎口避難ループ橋が設けられた場所(赤丸の位置)は、1948年(昭和23年)はまだ海であった。
国土地理院1966年5月30日撮影の空中写真。現在の県道33号臼杵停車場線のルートができあがっている。臼杵停車場線が県道指定されたのは昭和29年のことである。
国土地理院1992年5月10日撮影の空中写真。