神戸元町の山手・異人館街の西に位置する斜面に、1873(明治6)年に市営公園に指定された諏訪山公園がある。翌年に行われた金星の太陽面通過観測を記念して金星観測記念碑を建立、付近は金星台と名付けられた。
後年、金星台と山頂展望台を連絡する遊歩道整備の一環で再度山ドライブウェイ(市道神戸箕谷線)を跨ぐ歩道橋が架設され、金星台にちなんでビーナスブリッジと名付けられた。どんなイメージを盛り込んだかわからないが、橋は8の字状にループしている。
筆者が思春期の頃には既に愛をささやく場所として不動の地位を確立しており、現在も揺るがない。
路線 | 敷地内道路(公園付帯設備) |
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所在地 | 兵庫県神戸市中央区神戸港地方字口一里山 |
回転度 | 270度+315度 |
完成時期 | 1971(昭和46)年3月 |
実走行日 | 1982年頃 |
全景写真 |
(2023年12月29日撮影)
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金星台にちなんで名付けられたビーナスブリッジは8の字を描く。8の字は何をイメージしたのだろう?♾️の愛?堂々巡りの愛?
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主桁がきれいな弧を描く。設計は誰だろう?
重い告白を支えるテラス。
橋名板はこれしかない。完成はいつだろう?橋歴板を探せ。
ビーナスブリッジの橋歴板はネット初公開じゃないか?
高取山(JRの駅名は鷹取だが、山名は高取)に日が沈む。ビーナスブリッジは夕陽の名所でもある。
ビーナスブリッジからポートタワーが見えるはずなのに?と目を凝らしてよく見たら、県警本部の建物が隠蔽していた。さすが兵庫県警。何がさすがなのか知らんけど。
兵庫県内で最も多くの愛の告白(と拒否)を見守ってきた諏訪山公園レストハウスの建物は健在。バブル景気直前はトゥールドゥールというフレンチレストラン、その後イタリアンレストランになり、今回訪問時は新装開店直後の神戸北野テラスになっていた。
男友達と度々訪れて「いつかは可愛い女の子とトゥールドゥールに」と思っていた青年に告ぐ。ちょうど40年後、ひとりシェアサイクルで再度山ドライブウェイを駆け上がって(※)ビーナスブリッジを撮影した後、南京町横の王将でビールを飲むおっさんになってるぞ。
※再度山ドライブウェイは二輪車通行禁止だが自転車は規制されていない。