下瓦屋南歩道橋

熊野街道(小栗街道)の道筋(市道下瓦屋中山池線)と国道26号の交差点に架かる歩道橋の両端が、大薮池というため池の上でのの字を描いている。歩道橋は国道の西側にある泉佐野市立第三中学校の自転車通学生徒の便宜と安全を図ったものだろう。架設以前は迂回先横断歩道での自転車の信号待ち渋滞が半端ない長さになっていたであろうことが容易に想像できる。

この歩道橋は橋脚の配置に特徴がある。左右両昇降斜路それぞれ4本の橋脚が全て池の中に立っていて、歩道や車道の動線を遮っていないのだ。後付工事にしてはスマートな設計だが、水利組合等地元の協力なくしてはできなかったことである。それだけ自転車の信号待ち渋滞が地域社会全体に影響していたのだろうか。

橋名板と橋歴板に「下瓦屋南歩道橋」と記されているにも関わらず、道路メンテナンス年報(≒道路台帳)では「大藪池歩道橋」とされているのはどういう事情によるものか、謎だ。

路線国道26号
所在地大阪府泉佐野市上瓦屋
回転度270度+270度
完成時期1981(昭和56)年2月
実走行日2023-12-29
全景写真
下瓦屋南歩道橋を北側から眺める拡大する
下瓦屋南歩道橋を北側から眺める。車道ギリギリまで勾配を延長させることで斜路の短縮を図っていて、独特の外観になっている。
下瓦屋南歩道橋を南側から眺める拡大する
下瓦屋南歩道橋を南側から眺める。この橋は大丈夫か?と心配になるぐらいに酷い発錆だったが、現調直後の2024(令和6)年1月15日~5月31日に塗装工事が行われた。
橋上から東側斜路を眺める。歩道橋の幅員に比べて道路の歩道幅員が狭い点が気になる。
路上から東側斜路を眺める。斜路出口の延長線と車道の境界部分にペーブフェンスは必要ないのか?禁止しても中学生は自転車に乗ったまま斜路を下るぞ?
橋上から下瓦屋南歩道橋西側斜路を眺める拡大する
橋上から西側斜路を眺める。過去何人が池に転落したことやら。
道路台帳には「大藪池歩道橋」で登録されている不思議。

特記事項その1

以下Googleストリートビュー埋め込みのとおり、かつて下瓦屋南歩道橋から北側20mに泉佐野1号歩道橋(1973年架設)があった。架設から40年以上が経過し、利用度や維持コストを勘案して不要と判断されたようで、2017(平成29)年11月13日~24日に泉佐野1号歩道橋の撤去工事が行われた。撤去後の同地には横断歩道が設けられた。そうなると下瓦屋南歩道橋の存在意義が薄れるように思えるが、取材時には保育園の散歩で園児10人ぐらいが渡っていた。保育士の安心を確保するだけで価値があるかも知れない。

特記事項その2

下瓦屋南歩道橋の東20m、市道下瓦屋中山池線と市道貝田大藪池線の三叉路は、市道下瓦屋中山池線が拡幅された1980年代前半から再舗装が行われた2017年冬までの間ミニロータリー交差点だった。まさか道路舗装・路面標示工事で消失するとは考えず取材を後回しにしてきたが、悔やんでも後の祭りだ。