杭全歩道橋

JR関西本線(大和路線)東部市場駅近く、今里筋と国道25号と市道が集まる5枝交差点・杭全(くまた)交差点に架けられた横断歩道橋を上から見ると五角形である。円形ではないが四角でもないので、準円形歩道橋として紹介しておきたい。

また、現在の杭全歩道橋は2014(平成26)年に架け替えられた2代目だが、1969(昭和44)年3月に架設された先代(初代)は六角形で南東端の昇降階段が螺旋階段だったこと、そしてこの交差点は昭和20年代中頃から昭和30年7月までロータリー交差点だったことは我がサイトでは特記しておきたい。

先代は階段しかなく、車椅子や自転車の安全確保のためにエレベーター設置と橋上での車椅子や自転車の離合を考慮して設計された。新歩道橋(歩行者利用)は2014(平成26)年6月20日、エレベーターは同年10月29日11時に供用開始され、全体の完工は同年11月だった。

2018(平成30)年3月、杭全歩道橋は東住吉区の都市景観資源に登録された。大阪市が紹介する杭全交差点の記事も一読しておきたい。

杭全歩道橋架替ビフォー・アフター

中央のスライダーを左右に動かして見比べよう。

Before
After

左:2007(平成19)年07月31日 国土地理院撮影
右:2021(令和03)年07月21日 国土地理院撮影

現在の歩道橋は先代よりも一回り小さいことに注目。架替工事による歩道橋閉鎖時間を最小限にすること(ほぼ活線工事)を意図したものだろう。つまり、新旧両方の橋桁が併存していた期間が暫くあったようだ。

歩道橋情報の整理

路線国道25号(国道165号重複)/主要地方道市道大阪環状線
/市道住吉区第52号線/市道美章園杭全線
所在地大阪府大阪市東住吉区杭全1丁目/2丁目/3丁目/6丁目
完成時期初代:1969(昭和44)年3月
現行:2014(平成26)年11月
実走行日2023-12-28
全景写真
杭全歩道橋全景拡大する
杭全歩道橋全景...と言いたいところだが、大きすぎて五角形であることはもとより、5枝それぞれに架かる桁がすべてつながっていることがわからないな。
杭全歩道橋の橋上でパノラマ撮影拡大する
橋上から見ると、かろうじてつながっていることがわかる。
写真右のエレベーター塔の位置に先代歩道橋の螺旋階段があった。
別視点の杭全歩道橋橋上の眺め拡大する
別視点の杭全歩道橋橋上の眺めなのだが、正直なところ方向感覚を失っている。どっちを向いているのかさっぱりわからん。
様々な文献に戦後の数年間ロータリー交差点だったことが記されているが、写真を発掘できていない。
杭全歩道橋橋名板
丁寧に案内図があった。いや、これは必須ですよ。恒久化すべき図。
身障者・車椅子・乳母車・自転車共用エレベーターの号機名は上の案内図のA~Eと一致している。
橋歴板を探して2周した。