秋田市のやや北部、外旭川地区を通る穴堰用水に円筒分水工がある。
正確に言えば、文政の頃(19世紀初め)に完成した「穴堰」の出口近くで穴堰第一幹線用水路と穴堰第二幹線用水路に分水した後(なぜか、この分水は背割工)、外旭川中学校近くでさらに枝水路へ分水するための施設である。3本の水路に分水したうえで、1本は直後にさらに背割分水している。分水直後に水路が4本並列している様は、津軽平野でよく見られるそれと同じである。
タイトルに記した名称は、用水路名は正式なものであるが、分水工は正式名称を確認できていない。
灌漑時期なので吹き出す水量は非常に多い。水面下にあるオリフィスをもって分水する仕組みであるが、まるで銭湯のジェットバスだ。かぶりつきで見られるだけに、落ちたら死ぬことを実感できる。柵の内側に入っちゃダメだ。
穴堰付近で出会った老夫婦に訊ねてみたところ、設置時期は「秋田駅が新しくなってから、外旭川中学校が現在地に建つまでの間」との証言を得た。帰宅後に調べてみたところ1961年~1980年代前半ということで、20年ほどの範囲に絞り込むことができた。(答えてくれるだけでありがたいんですけど、分水工のコンクリートを見ればそれぐらいの見当はつきますよ・・・)
一帯の用水受益区域は戦後すぐに耕地整理されているので、そのときに水争いも解消されているはずなのだが、勾配不足や水路漏水等で配水量が十分得られなくなったような事情だろうか。継続調査が必要だ。
| 管理者 | 旭川筋土地改良区 |
|---|---|
| 所在地 | 秋田県秋田市外旭川大堤 |
| 完成時期 | 調査中 |
| 訪問日 | 2018年06月26日 |
穴堰第一幹線用水路 外旭川円筒分水工 全景。分水比率は・・・オリフィスが水面下なのでよくわからん。
穴堰第一幹線用水路 外旭川円筒分水工を、分水板が見える側から眺める。この眺めが「ジェットバス」状態だった。
分水直後はU型水路?で法面保護されているが・・・
すぐ先は木製土留板さえない土水路である。時代の先を行く、水辺の生き物に優しくすることで循環型農業を促進できる生物多様性対応型水路か?(たぶん違)
それにしても、この多条並列水路。津軽に近いからなのか?
円筒分水工から600mほど上流にある「穴堰」出口。
穴堰は19世紀初めに作られ、1936~1942年の旭川筋用水改良事業にて大規模改修された。しかし2010年に崩落したため、その復旧工事が行われ、2016年に新穴堰が竣工したとのこと。


コメント
はじめまして。
いつも楽しく拝見しています。
この分水工は、秋田道近傍の分水工とともに私も先月訪問してきました。
周りがもうちょっと整備されていれば見映えのする物件ですよね。
伊吹摩耶さん、はじめまして。ご覧頂きましてありがとうございます。
確かに、ひっそり存在しているし、雑草は生い茂っているし、用水の分水以外に何かする必要がありますか?と言わんばかりですね。
秋田道近傍の分水工というと、添川頭首工の横にある物件ですね?
私も同時に訪問しましたので、近日レポート公開予定です。
今後ともよろしくおねがいします。
添川頭首工の横…そうです、それです。
私は、外旭川のを見に行った後、土地改良区を訪ねたところ存在を教えてもらいました。
あれもなかなかの物件でしたね。
レポート楽しみにしております。