添川頭首工分水工

雄物川水系の旭川が秋田道と交差する付近にある添川頭首工。ここで取水された水は手形堰幹線用水になる。規定量を超える水を川に戻すための仕組みとして円筒分水工が採用されている。田川市の伊田地区円形分水器と同じ目的だ。

1955(昭和30)年6月に発生した前線停滞に伴う大雨により洪水が発生し、秋田市内では家屋全壊1棟、床上浸水1,139棟、床下浸水1,355棟の被害を受けた。このとき、手形堰と穴堰の堰堤が流出する事態となり、復旧工事として県営事業で添川頭首工が建設された。1958(昭和33)年3月完工。それを示す記念碑が頭首工の傍らに置かれていた。

可動式で、季節に応じて(取水量変更時期により)分水壁を移動できるよう複数の溝が設けられているが、訪問したときはそこに板が刺さっていなかった。水量が豊富な時期なので細かいことに気を遣わなくていいのだろうか?

穴堰第一幹線用水路 外旭川円筒分水工の後にここを訪問したが、どちらもつい最近に除草された様子。分水工として機能させていることは間違いない。

管理者旭川筋土地改良区
所在地秋田県秋田市添川戸平川
完成時期1958(昭和33)年3月
訪問日2018-06-26
全景写真
添川頭首工分水工全景拡大する
添川頭首工分水工全景。写真の上に写っている黄色い標識は秋田道下り線の標識である。
手形堰幹線用水側から眺める添川頭首工分水工拡大する
添川頭首工分水工を手形堰幹線用水側から眺める。写真上のほうへ続いている水路が戻しの経路だ。
添川頭首工分水工に接近拡大する
添川頭首工分水工に接近。分水壁(仕切りの板)がない。これでいいのか?
これが添川頭首工。上屋が立派で、とても昭和33年のものとは思えない。近年改修されたのだろう。
手形堰幹線用水の水門。取水の必要がない季節はここを閉じるのだろうか。
水利使用標識。筆者は、灌漑面積324haが大きいのか小さいのか、或いは大小を論ずることに意味があるのか、よくわかっていない素人である。
添川頭首工建設経緯を後世に伝える記念碑。頭首工の傍らに設置されている。