大阪・関西万博 夢洲第1交通ターミナル

2025年4月13日から10月13日まで開催の大阪・関西万博。鉄道利用客は東ゲート、バス・タクシー利用者は西ゲートに分離されている。その西ゲート、タクシー乗降とバス乗降のエリアを総称して夢洲第1交通ターミナルと名付けられている。ターミナル内のタクシーとバスが分流・合流する場所にラウンドアバウトと同等のロータリー交差点が設けられた。「ラウンドアバウトと同等の」というのは公安委員会の指定を受けておらず、規制標識「環状の交差点における右回り通行(327の10)」が設置されていないからだ。

公安委員会の規制はないものの、夢洲第1交通ターミナルに進入できるのは事前登録したバスとタクシーだけ、しかも登録に際してはミッチリと教育されるらしい。よって規制はなくても支障ないのだろう。視覚的にわかるものは路面に「ゆずれ」がペイントされているぐらいだ。何人も立っている誘導員の指示に従うことが優先されるので、必ずしも環道走行車優先にはならない可能性がある。

同様のロータリー交差点が、舞洲と尼崎の万博パークアンドライド駐車場に設けられているとのこと。舞洲万博パークアンドライド駐車場は自動運転車を含むシャトルバスだけが通行する想定らしい。尼崎万博パークアンドライド駐車場については情報が皆無、つまり一般車の通行を想定していないということだ。

夢洲第1交通ターミナルロータリー交差点の環道外径は48m、蕪城5丁目環状交差点と同等規模でかなり大きい。舞洲は32m、尼崎は17m、大きさに随分違いがあって、尼崎はバスの通行を想定していない可能性がある。

2005年の愛・地球博ではパークアンドライド藤岡駐車場に入出場する直前の交差点にロータリー交差点が採用され、現在はラウンドアバウトとして運用されている。自動車王国愛知らしいレガシーを実現したわけだが、20年後のいま、大阪はこの万博の何を次世代に遺すのだろう。「空飛ぶクルマ」という名の単なる飛行機(道路を走れない)はまともに飛ばず、水素燃料電池船はまるで認知されていない。運輸業界の端っこに身を置く者として、交通技術に関して進歩を実感できないのは忸怩たる思いだ。

路線敷地内道路
所在地大阪府大阪市此花区夢洲東1丁目
完成時期2025(令和7)年03月
実走行日2025-06-13
全景写真
大阪・関西万博 夢洲第1交通ターミナルのロータリー交差点タクシー乗降場接続路(入口側)拡大する
大阪・関西万博 夢洲第1交通ターミナルのロータリー交差点タクシー乗降場接続路(入口側)を眺める。撮影地はGUNDAM NEXT FUTURE PAVILIONの裏手である。
大阪・関西万博 夢洲第1交通ターミナルのロータリー交差点タクシー乗降場接続路(出口側)拡大する
タクシー乗降場接続路(出口側)を眺める。路面に「ゆずれ」がペイントされている。ミャクミャクがお見送り・・・しているわけではなく、私が加工しただけだ。
大阪・関西万博 夢洲第1交通ターミナルのロータリー交差点バス乗降場接続路拡大する
バス乗降場接続路を眺める。大規模なロータリー交差点で全貌を把握することは難しい。うーん、ドローンを飛ばしたいぞ。(飛行禁止エリア)